1人焼き肉は「千葉の郊外」でも通用するのか 3月にオープンした千葉・松戸店は出足順調

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裏を返すと、平日の客数をどこまで伸ばせるかが今後の課題といえる。「ファミリー客や年配客の来店は想定通りだが、平日の1人客をもっと取り込みたい」(幸楽苑ホールディングスの広報担当)。新聞の折り込み広告を使った販売促進も行い、近隣の住民への認知度アップを図る。

松戸南花島店について、幸楽苑ホールディングスの新井田昇社長は以前の会見時に、「年商1億円で御の字」と話していた。開店から約1カ月が経過したが、初月の売り上げは「当初想定通りか、やや想定を上回るペース」(幸楽苑ホールディングスの広報担当)とのこと。まずまずの滑り出しだったようだ。

焼肉ライクに変わって売り上げは60%増

焼肉ライクに看板を変える前の幸楽苑として運営していたときと比較すると、売り上げは約60%増加しているという。自社の近隣店舗と顧客を奪い合っていた面もあったため、近隣の幸楽苑の売り上げも増加している。

幸楽苑ホールディングスは新店舗でのさまざまな施策の効果を見極め、ロードサイド型の2店目を出す方針。今年中に既存の幸楽苑10店を焼肉ライクに転換する予定。一方、焼肉ライク側としては、幸楽苑ホールディングスとの共同での店舗開発が軌道に乗れば、ほかのフランチャイジーとも手を組み、ロードサイドへの出店を加速する計画だ。

「関西、九州、北海道などは年内に店を出す可能性がある。地方の店舗はとくに、地の利があるフランチャイジーにお任せしたい」(焼肉ライクの有村社長)。今後1~2年は店舗数のおよそ7割をフランチャイズで展開していく構え。「5年で300店」の中期目標の達成に向けて、その後はさらにフランチャイズ店の割合を高める方針だ。

既存の焼き肉チェーンなど業界関係者の間では、「1人焼き肉は一過性のブームにすぎない」と冷ややかに見る向きもある。焼肉ライクはブームに終わらせるのではなく、新たな焼き肉の形態として定着させることができるか。勝負は始まったばかりだ。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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