1人焼き肉は「千葉の郊外」でも通用するのか 3月にオープンした千葉・松戸店は出足順調

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都心部の店舗では、「焼肉のファストフード」を掲げて主に1人客をターゲットにしてきた。そのため2人席は少なく、家族で訪れる顧客はほとんどいない。一方、松戸南花島店では「ひとりでも、家族でも」と書いた垂れ幕を出し、1人客と家族客の両方の取り込みを狙う。店内の中央に1人向けの席を20席設置。加えて、壁に沿ってソファ席を34席設けて2人~4人での来店に対応する。

全体の席数も多い。都内の3店はそれぞれ21~29席と席数を少なくし、素早い商品提供と高い客席稼働率を実現した。だが、松戸南花島店は座席数54、駐車場も28台分を整備した。

平均滞在時間は郊外のほうが長い

都心部の店舗では平均25分という滞在時間だった。これに対し今回の新店舗は、「真ん中のテーブル席はどんどん回転するが、ソファ席には長いと1時間以上滞在する顧客もいる。平均の滞在時間は35分くらい」(焼肉ライクの有村壮央社長)という。

35分となると回転率が下がって収益が悪化しそうに見える。が、カレーやフライドポテトなどメニュー数を増やして追加注文を促すことで、客単価は通常店よりも100円ほど高い1500円になっている。

焼肉ライクの特徴である、1人で1台使用できる無煙ロースター(記者撮影)

それでも通常の焼き肉店の客単価よりも半分ほど低く、顧客にとってコストパフォーマンスが高いことに変わりない。子ども連れの顧客も来店しやすいよう、お子様セットや離乳食も提供する。

平日と週末での客数の差が大きいのも、郊外の特徴だ。新橋の1号店では、平日よりも週末の売り上げのほうがわずかに上回る程度なのに対し、郊外店舗では週末の売り上げが平日の1.5倍から2倍弱にもなるという。実際、4月のある土曜日の夜遅くに訪れてみると、入り口のウェイティングシートには入店を待った客の名前がずらりと記入されていた。最大で30分待ちになることもあるという。

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