「同世代」との再婚を望み始めた50代男性の心理 女性は若いほうがいいという固定観念に変化

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さらに、先ほどのAさんのように、再婚することで「妻のためにできる限り長く仕事を続けたい」「いつまでも元気でレジャーを一緒に楽しみたい」という気持ちが出てくるという点もメリットの1つ。結婚を機に食事を節制するなど健康的な生活に変わる人も多いようです。

Aさん、Hさんのような男性が現れた背景には、昨今、離婚率の上昇に伴い再婚を希望する男性も増えてきた、つまり母数が増えてきたという理由があります。加えて、かつては中高年男性で結婚相談所を利用する人は少数派でしたが、自分で相手を探して恋愛する時間をかけるよりも、専門家の目を通してふさわしい人を紹介してほしいと合理的に考えて利用する人がここ数年で急に増えてきたこともあります。

40代以上が登録できる中高年向けの専門相談所もありますが、その中には結婚までのサポートが行き届かず、茶飲み友だち程度にとどまるケースもあるよう。また、前妻との間に子どもがいる場合、再婚年齢が上がれば上がるほど遺産相続の問題が出てくるためハードルが高くなります。その点においても、ご自身でパートナーを探すより、結婚に特化した専門家の仲介やアドバイスがあったほうが安心できるのかもしれません。

中高年の再婚者は、結婚に対し冷静な視点を持てる

前述したように再婚の方は、初婚の方と比べて結婚に対してより現実的に考える傾向があります。結婚を“ドリーム”ではなく“プラン”として捉えているのです。

50代、60代の初婚男性の場合は、結婚を”ドリーム”と捉えがちで、「自分よりもずっと年下の女性がいい」と言う人が多く、中には「子どもが欲しい」という人もいます。しかし、再婚の方の場合は「もう失敗を繰り返したくない」という思いが強く、相手に求めるものは年齢よりもまず自分の生き方に合ったパートナーであるかどうかであり、前回までの結婚で相手に「嫌だ」と感じた点をまず除外して条件を考えます。

例えば、前の結婚で会話の内容や深さが違いすぎた点が気になったという人は、次の結婚ではそこが重要な条件になります。自分が忙しすぎて家庭を顧みなかったことが原因で離婚したとなると、それでも構わないという自立した女性がいいでしょう。

ポイントは人それぞれではありますが、自身の中で求めるものははっきりしている人は相手を紹介しやすい。そこで「若い女性がいい」という希望はほとんど出てきません。  

マリーミーでは、4、5年前まで40代以上の女性がカウンセリングに訪れる例は年間数件でしたが、今では登録者の3割が40代になりました。その層に、Aさん、Hさんのような男性を紹介できるようになりうれしく思っています。今後、彼らのような男性がさらに増えてくるのではないかと期待しています。

(構成:安楽由紀子)

植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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