薄氷踏むドル高相場はいつまで続くのか

投機の積み上がりが解消されるとき

依然としてドルは高止まりしている(写真:ロイター/Thomas White)

問題が起きるのでは?と不安のあった10連休の真っただ中だが、ドル円相場は相変わらず膠着状態にある。過去2か月(3月1日~4月23日)のレンジは「109.70~112.17円」の2.47円にとどまり、4月に入ってから(4月1日~4月23日)に限れば「110.81~112.17円」の1.36円とさらに狭くなっている。

この間、FRB(米国連邦準備制度理事会)はドットチャートにおいて年内利上げ停止のサインを示し、バランスシート縮小路線の停止も打ち出した。後述するように、最近では利下げを示唆するような言動まで見え隠れし始めている。こうした動きもあって3月以降、アメリカの10年金利は2.77%から2.34%まで最大40ベーシスポイント下がっている。

金利低下でもなおドルが買われている

昨年10月をピークとして日米金利差ははっきりと縮小傾向にあるのだが、ドル円相場がこれをフォローして下落したのは今年1月半ばまでの話であり、2月以降は逆に上昇へ転じている。過去3カ月は「金利差縮小の下での円安」が継続中である。

同様に米独10年金利差とユーロドル相場でも「金利差縮小の下でのユーロ安」が発生している。

こうした状況に対する解釈はさまざまあるが、アメリカの金利が多少低下したところで、マイナス金利政策を採用している円やユーロからすれば、なお投資妙味が見込めるという事情がドル相場の耐性を強めていると考えるのが妥当だろう。

もしくはFRBのハト派化を受けて株価の騰勢が続く中、こうした資産価格の上昇がアメリカ経済の楽観にまで発展している側面もあるだろう。しかし、既に労働市場の改善余地が限定的となっている以上、実体経済の拡大が永続するかのような期待は単なる現実逃避に終わる可能性が高い。

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