日経平均株価の上昇はいつまで続くのか 大型連休前に急落?それとも連休後も上昇?
日経平均株価が4ヵ月ぶりに2万2200円台まで回復してきた。チャート上ではマド(=窓、ギャップ)を空け、長期の平均売買コストとして重要視される200日移動平均線も上回ってきた。大型連休を控えるなか、この上昇基調は続くのか。テクニカル面から日本株の見通しを探ってみた。
現状は、「売り方」が買い戻しを迫られている?
ローソク足とローソク足の間の空間をマドというが、基本的にチャート上のマド(ギャップ)は、買い方と売り方の均衡状態が崩れたことを示す。トレンド発生のサインともいわれるマド(ギャップ)は4つあるが、それぞれ相場においての重要度や意味合いが異なる。
1.コモン・ギャップ・・・・・・重要度▲(ボックス相場内でのマド)
2.ブレイクアウェイ・ギャップ・ 重要度◎(トレンドの始まり)
3.ランアウェイ・ギャップ・・・ 重要度○(トレンドの加速)
4.イグゾースション・ギャップ・ 重要度○(トレンドの転換の兆し)
上の4つのうち、特にボックス相場やモミ合いを放れる2の「ブレイクアウェイ・ギャップ」は重要度が高く、新たなトレンドの始まりを意味する。特徴として出来高をともなう。また、「マド三日に埋めざればその勢い強し」という格言もあり、そのマドを埋めない場合は発生したトレンドが強いとみなす。
足元、この2ヵ月間の日経平均株価は2万1000~2万1800円のボックス相場が続いていた。ところが、4月15日にチャート上でマドを空けながら200日線も上放れた。上記の4つに当てはめると、今回はトレンドの始まりを示す「ブレイクアウェイ・ギャップ」の可能性が高いといえそうだ。4月16、17日の日経平均も高止まりした。17日もマド埋め(2万1878円)しなかったことで「その勢い強し」とみなし、もう一段高も期待される。
ただ、気になるのは日本株の物色偏重だ。値がさ株の一部が好決算を手掛かりに上昇しているが、これらは指数寄与度が高いため、日経平均を大きく押し上げる。その値がさ株の下げを見込んで空売りしていた投資家は損失拡大回避から買い戻しを迫られているもようだ。10連休中の「逆日歩(ぎゃくひぶ)」が追い打ちしているようだ。
そもそも、逆日歩とは「信用取引の売り方が支払うコスト」を指す。例えば、ある銘柄が買い残高に対して売り残高が大きく上回ると、証券金融会社は貸し出す株券が不足することもある。その場合、売り方は株券の調達費用を請求されるのだが、この逆日歩は翌営業日に判明する。そのため、売り方にとってブラックボックスとなることから、週末や連休前に買い戻しを急ぐケースもみられる。実際、3月15日以降の日経平均株価は、週末の金曜日が5週連続高となっている。
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