日経平均株価の「異常な値動き」に注意が必要だ

外需株も内需株も買えるような状況ではない

日経平均株価は目先上昇しそうだが、筆者は「異常」だという。やはり「嵐の前」なのだろうか(写真:まちゃー/PIXTA)

アメリカの株価指数は4月5日(金)辺りまで堅調に推移した。それを受けて日本の株価指数も8日(月)辺りまでは、やはり堅調だった。ただ、そうした先々週の強めの株価の背景要因や物色動向は、危うさを覚えざるを得ない状況だった。

中国経済に対する勝手な「悪玉論と楽観論」

まず背景要因として、市場が勝手にみなしていた「中国経済こそ最大の悪玉論」を、今度は勝手に「中国経済は改善に向かった」とした点がある。材料は、3月31日(日)に公表された3月の中国製造業の景況感指数が上昇したことから、同国経済への楽観が広がった。それに4月3日(水)から5日(金)にかけてワシントンDCで行なわれた、米中2国間の閣僚級通商交渉を経て「いずれ両国間で妥結がなされるだろう」という期待も生じた。

このため、「中国経済が改善すれば世界経済も大丈夫だ、なぜなら世界経済の足をひっぱる悪役はもっぱら中国であり、中国の景気さえよくなれば後は心配することは何もない」、という「誤解」が広がった。先々週の株価上昇局面においては、日本株では海運、非鉄金属などの景気敏感業種が株価の上昇を見せた。加えて、世界の設備投資や建設投資も改善するだろうと、機械・電気機器の投資関連企業(工作機械、産業用ロボット、建設機械など)の株価が主に堅調推移した。

しかし、これまでずっと当コラムで述べてきたように、筆者の「年央に向けて大きく日本の株価も下落する」というシナリオの主要因は、中国ではなく、これからアメリカの経済が後退期に陥ることだ。そうした観点を持っている人間からみると、中国だけが世界経済の悪役になるというのは的外れに見えるし、したがって中国経済が景気対策などで持ち直せば他に心配がない、という見解も、当を得ていないと考える。

実際の市況動向も、そうした行き過ぎた楽観論の揺り戻しからか、先週に入ると、日本株の景気敏感と投資関連の物色は勢いを失い、反落した。

次ページ内需株も買えない環境が続く
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • CSR企業総覧
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
人望のない人は「たった一言」が添えられない
人望のない人は「たった一言」が添えられない
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
漂流する東芝<br>舵取りなき12万人の悲運

再出発したはずの東芝の漂流が止まりません。再建請負人の車谷暢昭社長が電撃辞任。緊張感が増すファンドとの攻防や成長戦略の構築など課題は山積しています。従業員12万人を超える巨艦企業はどこに向かうのでしょうか。

東洋経済education×ICT