平成の「就職人気ランキング」から読み解く就活 時代が激動しても大企業人気は揺らがない

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就職人気企業ランキングの変遷を見ていて、いくつかの特徴が見えてくる。この特徴から平成における若者の就活の特徴をまとめた。

① 景気がどれだけ変動しようと、大企業人気は揺らがない
② 経営悪化や不祥事の報道があった場合、同年もしくは翌年にはランキング上位から消える(例:シャープ、東芝、電通)
③ 企業単位というよりは、業界単位で人気が集中する傾向がある(企業ではなく、業界で選ぶ傾向がある)
④ 文系の場合、「身の回りにあってイメージしやすい商材に関わる業界」や「楽しい、好きといった感情に紐づく業界」に人気が集中
⑤ 理系の場合、リーマンショックまでは「ものづくり(電機・自動車・重工)」業界に人気が集中していたが、リーマンショック以降は身近な「食品(サントリー、カゴメ、味の素、明治グループ)」業界に移行している

このように就職人気企業ランキングを見ると、時代ごとの出来事がランク付けに反映されていることがわかり、非常に興味深い。さらに、業界ごとの隆盛をランキング形式で読み取ることもできる。

人気企業ばかりエントリーすると失敗しやすい

しかし、20代の就活を支援していると、新卒就活で失敗する人には就職人気企業ランキングだけで就活方針(どの企業にエントリーするか?)を決めている人が非常に多いと感じる。

なぜ失敗する人が多いかというと、「みんなの人気企業」はエントリー数が多く、「倍率が高い企業」になってしまっているからだ。しかも、エントリーしているのは人気企業だけという場合も多い。そのため、就活の準備が不足している人や、学歴が劣っている人(何だかんだ企業には学歴重視の傾向が残っている)は、なかなか就職先が決まらずに卒業してしまう。

現在進行系で就活を行っている人には、就職人気企業ランキングを参考にはしたとしても、ランキングに載っていない企業(主に中小やベンチャー企業)にもエントリーすることをお勧めしたい。全企業の99%を占める中小企業には、ユニークな事業を行っていたり、若い頃から裁量を持って働ける環境があったりする。

何が言いたいかというと、「他人基準(みんなが選んでいる会社を選ぶ)」だけではなく、「自分基準(自分の特徴と希望に合った会社を選ぶ)」も考慮した就活を行うことが大切だということだ。そうすれば、倍率の高い企業での就活を避けることができ、自分らしく納得のいく企業を選ぶことはできるのではないだろうか。

次ページ平成の就職人気ランキング(文系・2019~2010年)
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