平成の「就職人気ランキング」から読み解く就活 時代が激動しても大企業人気は揺らがない

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「金融業界」も企業の顔ぶれは変わっているが、ランキングに常に顔を出している。金融業界の中でもメガバンクは、ITによる業務自動化を推し進めることで大量のリストラを実行するといった報道により、直近2年はトップ10から姿を消している。

昔から文系就活で人気のある印象の商社も、1998年までは五大商社がトップ10に名を連ねている。1999年以降トップ10から遠ざかっていたが、直近3年は、伊藤忠商事がトップ10に返り咲いている。

理系はソニーが14回トップ獲得

理系学生の就職人気企業ランキングでは、最多の14回のトップを獲得しているソニーが目を引く。特徴的なのは、2012年3月期に5200億円の赤字に転落した時期こそランキング外になっているが、平成の31年間を通じてコンスタントにトップ10に顔を出していることだ。国際競争の激化や東日本大震災の影響もあって業績が伸び悩み、多くがランキングから姿を消している電機メーカーの中で、唯一気を吐いている存在だ。

同様に6度のトップを獲得しているのがトヨタ自動車だ。1990年代後半あたりからトップ10の常連となっている。なお、自動車・重工業界では、2008年頃までは本田技研工業、三菱重工業、石川島播磨重工業(IHI)といった大手重工会社が上位に食い込んでいた。

電機業界や自動車・重工業界に共通しているのは、2008年のリーマンショック以降、業界全体としては就活における存在感が薄くなっているということだ。業界トップ企業(ソニーやトヨタ自動車)だけはかろうじて人気を保っているが、業界他社は軒並み順位を落としてしまっている。

日本の高度経済成長を支えていたものづくり(電機・自動車・重工)業界から就職人気が移っていったのが食品・小売・卸業界だ。サントリーやカゴメが元々トップ10に入っていたが、近年では明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)や味の素といった企業もトップ10の常連になっている。重工業から食品への人気の変化は、より生活に密接に関わってイメージがしやすい仕事というだけでなく、シャープや東芝といったものづくり企業の経営悪化が大きく影響していると考えられる。

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