物事に追われている人に教えたい時間の作り方 「いつ、何を、どのように」考え方を変えよう

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つねに何かしている自分はとても効率がいい、と思っていたのですが、実際は、必要以上に時間をとられていたのです。いましている作業に注意をしっかりと払ったことがなかったのです。

どうでもいいことばかりしていて、肝心のことがほとんどできていなかったので、なにかやり遂げた実感がまったくありませんでした。

マルチタスクという言葉はもう時代遅れだと思っています。マルチタスクが効率的なことはまずありません。最近では、一度に1つのことに対処するほうがいい、と言われています。わたしも、1つのことに全神経を集中させるほうが、ずっと効率的で現実的だと実感しています。

目の前のことをしっかりやり、やり終えてから次のことをする。このほうが時間を節約できるのです!

テレビ、スマホ、PCをどれくらい見つめているか

自分の時間を増やしたければ、テレビ、スマホ、パソコンを見ている時間を減らすことです。週に何時間、画面を見つめているか考えてみてください。そのうちの数時間を、もっとほかにやりたいことに費やせるはずなのです。

数年前、スウェーデンのあるテレビ番組が、スウェーデン人は1日約6時間を、テレビ、ラジオ、インターネット、新聞に費やしていると報道していました。この数字がその後も下がっていないのはほぼ確実です。

わたしたちは日中、ありとあらゆる情報にさらされています。それらをその日のどこかの時点で、処理しなければなりません。情報を消化し、息抜きして、頭を回復させる時間も考えておく必要があるのです。

実際にあったニュースも噂話も人の意見も、何でもかんでもとりあえず頭に詰め込んでおくわけにはいきませんから、ある程度制限する必要があります。不要なものをときどき取り除いて、脳のスペースを空けておくのです。

こうした作業一切は睡眠中にはできません。睡眠中は思考の整理を自分でコントロールできないからです。

だからこそ、瞑想(めいそう)や息抜きを意識的に行うことが非常に大切です。瞑想する時間を日々の暮らしに取り入れ、自分にとってベストなやり方を見つけましょう。身体を動かす時間と同じように、息抜きや瞑想の時間も予定に組み込むのです。

娘のジュリアが小さかった頃、テレビの子ども向け番組をつけてやると、その晩ずっとつけっぱなしということがよくありました。そのうちに、テレビのつけ方を娘に教えてやりましたが、ほかに何かして遊んでいるときは、娘が自分でテレビをつけることはめったにありませんでした。 

いまでは家族全員、なるべくテレビをつけないようにしています。一度つけてしまうとなかなか消せなくなるからです。

現代の問題は、デジタルの娯楽がごく身近にあることです。テレビをつけっぱなしにして、スマートフォンやパソコンの画面を見るのがごく当たり前になっているのです!

見たいものが家族それぞれで違っていると、こうした状況を制限するのは難しい問題です。

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