日高屋が「圧倒的に儲かっている」根本的な理由 「マック」「吉野家」近辺に新店を作る理由
マクドナルドや吉野家にはファンがいるが、毎日は食べないだろう。そんなファンに「昨日は牛丼だったから、今日はラーメンにしよう」と選んでもらえるように、「競合のすぐ隣」に出店しているのだ。
ただし、マクドナルドや吉野家と競合するには、低価格路線に追随できないといけない。日高屋では中華そば1杯390円(税込)でファストフードに対抗しているが、それでは高い利益率を維持することは難しい。そこで日高屋では、利益率の高い「アルコール」メニューの売り上げを伸ばす戦略も展開している。それが、「中華そば+餃子+ビール」で1000円以下という価格設定だ。
さらに、看板メニューの中華そば、餃子だけでなく、つまみメニューも充実させて、仕事帰りの会社員の「ちょい飲み」ニーズを捉えている。そもそも「ちょい飲み」したい会社員にとって、チェーン店の居酒屋は「お通し」などが付いてしまうので、実はコストパフォーマンスがよくない。そんな会社員にとって日高屋は「ちょい飲み」にうってつけ。だから、ラーメン屋でありながら、アルコール飲料が売上高に占める割合は約15%にも達するという。
儲ける秘訣は「メニュー」と「営業時間」
また、営業時間の長さも日高屋の見逃せない特徴だ。午前11時から翌2時までの営業が原則で、24時間営業も50店舗を数える。「飲み会終わりのシメのラーメン」というニーズも、きちんとキャッチできている。
ようするに、日高屋は駅前でしかも「マクドナルドと吉野家のすぐ近く」という「立地条件」、ちょい飲みができる「メニュー展開」、飲み会終わりにシメのラーメンを食べられる「営業時間」に儲けの秘密があると言えるだろう。
日高屋は、現在、首都圏に約400店舗を展開。2021年には約500店舗、その先には首都圏600店舗の目標を掲げている。その達成に向けて、もう1つ、日高屋が儲かる仕組みを付け加えるとしたら、ラーメン、餃子、タレなどを埼玉県の自社工場で製造していること。
しかも、「1日1便」しか配送していないという。自社工場で品質は維持しながらも、製造と配送にかかるコストを徹底的に抑えていることも、日高屋の儲けの秘密の1つといえるだろう。
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