「指しゃぶり」と「爪噛み」はむしろ身体にいい シカゴ大教授が教える「最強免疫力」の育て方

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小児科専門誌『ピディアトリクス』誌で紹介された、ある最近の研究によれば、小児が汚れた指を口に入れる行為には利点があるという。

ニュージーランドの研究者たちが、1972~1973年にかけて生まれた約1000人を38歳になるまで追跡した。これらの人々が5歳、7歳、9歳、11歳のとき、研究チームは両親に子どもたちが親指をしゃぶったり爪をかんだりするか尋ねた。

その後、13歳になったとき、犬、猫、カビ、ほこり、草に対する一般的なアレルギーの有無を調べた。すると、幼いときに「口に指を入れる癖」のあった子の38%にアレルギーがあったのに対して、そういう癖がなかった子では49%という結果だった。

この研究は2つの現象同士の因果関係ではなく相関関係を指し示すのみであるとはいえ、それでも興味深い。

親指をしゃぶる行為と、爪をかむ行為は、土を口に運ぶうまい方法だ。手の爪には150種以上の細菌が棲んでいて、その大半が爪床の下で土にまみれて繁殖している。子どもは手を汚す天才だから、親指は土を口に運んでくれるすばらしい手段だ。

犬を飼うと子どものアレルギーが減る!

また、犬を飼うことも同様に、アレルギーを減らす。しかも、早ければ早いほどよい。犬がいると、お子さんが夢中になってそっちにはっていくのに気づくだろう。人間は犬と昔から長く共存してきたからだ。私たちは多様な犬種を生み出し、あらゆる形、色、大きさの犬と親しんできた。

犬を飼うのは、一種の共存と言える。私たちが犬に餌、住まい、運動、愛情を与える。犬はあふれる愛情を返し、交流、遊び、簡単な作業をこなしてくれる(玄関にだれか来たよ! あのヒツジを連れてくるのは任せて。トリュフが欲しいの? ぼくが見つけてあげる)。

だが、あなたは気づいてなくても、あなたと犬の間には目には見えない関係もある。ワンちゃんが外から帰ってくるたびに、外の環境の細菌を連れ帰るので、赤ちゃんが出合う微生物の多様性と数が増える。心配するかもしれないが、これはじつはいいことなのだ。

お子さんの発達中の免疫系はこれらの細菌に親しみ、その恩恵を受ける。ある研究で、犬から採取したラクトバチルス属菌を培養し、ぜんそくにかかったマウスに与えたところ、マウスがぜんそく発作を起こす回数が減った。犬がいる環境で育った子どもがぜんそくやアレルギーを発症する率が13%低いのは、これと同じ理由かもしれない。

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