東大生が教える「文章に自信過剰な人」の盲点

うまく書けたはずなのに「伝わらない」ワケ

この甘えを解消するのにいちばん適したトレーニングは、その内容とまったく無関係な「第三者」に文章を読んでもらうというものです。

例えば本の紹介ならその本を読んだことのない友達に。仕事のメールでの連絡なら仕事にまったく関係ない知り合いに。学問の話ならまったくその分野に明るくない家族に。

そんなふうに、無関係な人に読んでもらって伝わるか伝わらないかをチェックしてもらうというのが非常にオススメです。

僕も、国語で文章の要約を作るときには、その文章をまったく読んだことのない家族にチェックしてもらい、コメントをもらっていました。

そういうまったく無関係の人のほうが、「甘え」に容赦がありません。容赦なく「ここわからないよ」「何言ってるのかわかんない」と教えてくれます。それを修正して、「無関係な人でもわかるような文章」を作れれば、誰もが理解できる文章を書くことができるのです。

無関係な人がわかった文章なら、きっと少しでも前提知識のある読者にだったら伝わる可能性が高い、というわけです。

「読者は、僕の書く文章なんか読みたくない」

もう1つ、いい文章を書くために覚えておかなければならないのは、「あなたが思っているほど、読者は文章に対して興味がない」ということです。

例えばここまで「文章」のことを語ってきた僕が、今からいきなり「じゃあ僕の趣味の話をします!」と話題転換し、「自分にはこういう趣味があって、こういう楽しさがあって……」と語り出したら、ほとんどのみなさんはこの記事を読むのをやめてしまうと思います。

だって、僕の趣味の話なんて興味ないですよね?

僕の趣味の話を聞きたいとはまったく思っていないし、僕の趣味の話を聞くメリットも皆無。そんな状態では、読者は文章を読んではくれないのです。

たとえそれが、もしかしたら趣味の話から発展させて「……というわけで趣味と文章はこうつながるのです!」と最後の最後で書かれていたとしても、そこまで読んでくれる人はすごく少なくなっていると思います。

基本的に、「読者は文章に興味がないもの」と思ってかからないとダメなのです。

これを、読者の側に立って考えてみましょう。みなさんは普段、どれくらい文章を読みますか?

ネット記事も新聞も本も、あるいは議事録でも報告書でも、読むことで得られる知識やスキルがある場合、合理的に考えればたくさん読んだほうがいいと思いますが、それでもなかなか「気合を入れてどんどん読もう!」という気にはなれないものです。

僕もそうだからわかるのですが、基本的に文章を読むことってつらい行為ですよね。「ネット記事を読むのは非常に楽しい!」「クタクタになって家に帰ってきても、文章を読めば明日からまた頑張れる気がする!」みたいな人は、本当に少ないと思います。

そう、「文章を読む」というのは意外と大変な行為で、そんな大変なことを書き手は読者に強いなければならないのです。やりたくもないことをやっているという時点で、実は読者はすでに「マイナス」からスタートしているわけです。そりゃ、興味なんて持ってくれるはずもありません。

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