2位は明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)。ここ数年はトップ10の常連だったが、ついに2位にまで順位を上げた。とくに理系の支持が高く、昨年に引き続き理系で1位になっている。お菓子や乳業を扱う明治だけでなく、Meiji Seika ファルマで医薬品などを展開しているため、あらゆる専攻分野の学生が志向する結果になっている。
3位は大手エアラインの一角、日本航空(JAL)だ。昨年から1つ順位を下げているが、全日本空輸と同様、文系学生や、女子学生の支持が高い。インバウンド(訪日外国人旅行客)の増加から成長が見込め、グローバル的なイメージがあることからエアラインは、文系女子を中心に高い人気が続いている。関連会社も、ANAエアポートサービスが23位、JALスカイが38位と上位に顔を出す。
一昨年まではメガバンクの人気が高く、つねにトップを独占していたが、昨年から変化の兆しが出ていて、今年はそれがさらに鮮明となった。一昨年は1位、昨年3位だったみずほフィナンシャルグループは7位まで順位を落とした。みずほフィナンシャルグループとトップ争いをしていた三菱UFJ銀行は12位と、ついにトップ10から漏れた。
理由は、マイナス金利による業績の悪化などもあるが、採用減が続いていることが大きいだろう。1000人規模の学生を採用していたが、フィンテック(金融とITの融合)の導入や業務の自動化により、人員の削減を進めており、採用も絞る傾向にある。今年も昨年以上に削減する方針を打ち出しており、かつてほどの人気がない。
メガバンク以外の金融は安定
一方、4位の日本生命保険(昨年4位)や、5位の大和証券グループ(昨年5位)などは、ほぼ横ばいの人気となっている。金融はまだまだ安定的というイメージがあり、この業界を志望する学生は「メガバンク以外の金融」の中から企業選びをしているものと思われる。
メガバンクの人気が下がる一方で、ランクアップしているのが総合商社だ。6位の伊藤忠商事は、20位前後のポジションにいたが、ついに今年はトップ10入りを果たした。さらに丸紅も昨年の104位から10位に、三菱商事も70位から32位と、大きく順位を上げた。
8位は昨年と変わらず、JTBグループがランクインした。旅行業界はエアラインと同じく人気が上昇する傾向にあったが、人気を下げた企業もある。これまで東京五輪が追い風要因になっていたが、2020年以降を見据えて、志望業界を見直す動きが出ているのかもしれない。
9位は印刷業界2強の一角、大日本印刷が入った。印刷だけではなく、光学フィルムや電子デバイスなどのエレクトロニクス部門が収益柱の1つになっており、そうした分野に成長の可能性を見いだしている学生も少なくない。ライバルの凸版印刷は71位にとどまり、大きく水があいた格好だ。
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