「日本のホットケーキ」、世界を魅了する5大理由 「造形美」「差別化」…魅力溢れるその訳は?

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世界中から「日本のホットケーキ」を食べに来るようになった最後の理由が「SNSによる拡散」です。

【5】「SNS」から世界中に拡散

地元客だけで成り立っていた個人経営のお店に、日本全国、さらには海外からお客さまが押し寄せる。そうした新たな流れが生まれている背景には、間違いなく「SNS」の存在があります。

少し前までは、どんなに魅力的なものを作っていても、小さなお店が大々的に海外で宣伝するなどということは不可能でした。しかし、今ではSNSによってその波は海を超え、世界各国からお客さまが来店します。

また、SNSだけでなく、知らないうちに飛行機の機内誌や海外の雑誌で取り上げられていたりもします。

もちろん、こうした流れはいいことばかりではありません。なかには否定的なコメントが拡散されることもありえます。SNSというのは、両刃の剣にもなりえます。しかし、知ってもらう手段が飛躍的に増えたことは、小さなお店にとっては間違いなく朗報です。

「お客さま目線」を忘れない「真に差別化された本物」であれば、その情報は世界中に拡散され、必ずいい方向に広がっていくのです。

令和は「個人経営のお店」の時代

私は「令和という時代は、個人経営のお店の時代になる!」と強く感じています。平成という時代は、チェーンストアが台頭し、個人経営のお店を駆逐していった時代だったとも言えます。

チェーンストアによって、私たちは数多くの恩恵を受けてきました。必要なものがリーズナブルな値段ですぐに手に入る。チェーンストアによってもたらされた利便性の価値はとてつもなく大きなものです。

しかしその一方で、均一的、画一的、平均的なお店ばかりが増え、個性やユニークさ、遊び心は消え去ってしまいました。「機能的な豊かさ」は増したかもしれませんが、「情緒的な豊かさ」は減少する一方なのです。

SNSの進展がこの流れを大きく変えようとしているのは間違いありません。浅草のホットケーキの名店で知られる「フルーツパーラーゴトー」の後藤浩一さんはこう言います。

「商品を一つひとつ丁寧に提供すれば、お客さまが勝手に宣伝してくれる。個人経営のお店には本当にいい時代になりました」

なぜ手作りホットケーキのお店に、日本国内のみならず世界中から人が殺到するのか。そこには令和という時代を読み解くひとつのヒントがあるのかもしれません。

遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

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えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

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