日本企業で問題化する「なんちゃってMBA」 毎年5000人が誕生!そのムダと弊害
ビジネススクールで強調される「薄っぺらいテクニック」
2004年、米国でビジネススクール関係者を震撼させる衝撃の書籍が出版された。原題は『MANAGERS NOT MBAs』。その2年後に『MBAが会社を滅ぼす』(日経BP社)と題されて日本でも出版され、関係者のあいだで大きな話題になった。
著者のヘンリー・ミンツバーグは、カナダ・マギル大学の教授であり、経営学者。米国経営学会から優秀研究者に選ばれるほどの実績を上げている。ミンツバーグの主張は明快だ。MBAプログラムはこの50年以上にわたってほとんど変わっておらず、重大な欠陥を抱えており、総合的なマネジメント教育とは言えない。「間違った人間を間違った方法で訓練し、間違った結果を生んでいる」と辛辣に批判したのだ。
MBAという学位を初めて設けたのは、ハーバード大学。1908年だから、100年以上前のことだ。以来、米国でビジネススクールは増加の一途をたどり、現在では、600~800ものビジネススクールが存在すると言われる。ビジネススクールの増加とともに、MBA取得者の数も増加。1964年に6400人だったMBA取得者は、1976年には4万3000人に達した。
ミンツバーグは「アメリカだけでも、10年で100万人近くのMBA取得者が経済界に送り出されている」と言う。そしてMBAは「あらゆる場で悪影響を生んでいる」と指摘し、「破滅的な影響」という言葉まで使っているのだ。
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