格之進「燻製ハンバーグ」が目指す新しい価値 冷凍して燻製することで「薫り」を引き出す

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高値がつかないような牛を一頭丸ごとで仕入れ、「熟成肉」や肉の「塊焼き」「骨付き肉」など独自の調理法を通じて、新たな価値を付けていく。その価値は、いわば味わった消費者によって判断されるものだ。千葉氏が最終的に求めているのは地産外消で、生産物の価値が生産者へと還元されることだ。

8000円のリターン商品は薫格肉(約120g×4)。塊の状態で焼く「塊焼き」では、部位ごとに異なる肉の個性を味わうことができるという。冷燻技術の効果も表れそうだ(写真:門崎)

そのため、東京の店舗を“ショールーム”として位置づけている。そしてオンワードと手を組むことにより、国内のみならず、海外へのアピールをより強めていく狙いがあるようだ。これまで牛肉を重点的に説明したが、実は、千葉氏は豚肉の魅力を海外に広めたいという意気込みも持っている。

「豚肉のおいしさの大きな部分は脂身にかかっているが、これは日本的な考え方で、海外では評価されにくい。豚肉の海外評価を上げたい」(千葉氏)

試食会当日は、同社のパートナーである、白金豚の生産者も顔を見せていたことから、千葉氏は白金豚をハンバーグに導入したいきさつについて言及。「ハンバーグに使いたいと言ったら、『ハンバーグにするために育てているんじゃない』と言われた」というエピソードを披露した。

白金豚の生産者にしてみれば、ハンバーグと言えば「古い肉や得体の知れない肉でつくるもの」というイメージがあったからだろう。しかし、格之進のハンバーグは現在、国内最大級の肉のイベント「肉フェス」で、行列を呼ぶほどの人気商品である。ハンバーグの価値を高めるための、千葉氏の取り組みが功を奏した結果だろう。

薫格商品をどう認知してもらうかが課題

同社では、冷薫技術を採用したハンバーグ、肉を「薫格ハンバーグ」「薫格肉」と名付け、商品化していく。

なお、試食会には大手高級スーパーの関係者も同席。薫格商品について「将来的に扱うことになるだろうが、薫りをどう表現してお客様に購入してもらうか、売り手にかかっている」とのスピーチもあった。

プロジェクト支援のリターン品には、普通のハンバーグと薫格の食べ比べセットも用意されている。写真は金格ハンバーグ(写真:門崎)

今回の支援プロジェクトでは、薫格商品が支援者へのリターンとして贈られる。支援者へのリターン品が発送されるのは5月上旬からの予定だが、オンワードマルシェでも同時期から取り扱いが始まる予定だ。これらの品には薫格と通常肉との食べ比べセットなども含まれている。

いちばん金額の低いものが、8個の金格ハンバーグ4個/薫格ハンバーグ4個の食べ比べセット5000円。ちなみに、店頭販売や通販で取り扱っている、既存の金格ハンバーグ10個入りは4500円だ。繰り返しになるが、薫格ハンバーグや薫格肉は、今までに体験したことのない味。試すためだけにでも注文してみる価値はあるのではないだろうか。

なお、このようにおいしい肉を入手しても、上手に調理できるのかが心配なところ。格之進のウェブサイトでおいしい焼き方を紹介しているので、参考にするとよいだろう。また、プロジェクトが成功すれば、将来的には店舗にて提供される。最適な焼き加減で、最高の肉やハンバーグを味わえるのは間違いない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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