ヤクルトで勝ち運なかった投手・原樹理の覚醒 昨季は96敗から逆襲、19年シーズンへの期待

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開幕前に原は言った。

「19年シーズンは別に楽しみではないです。相手だって当然研究してくるので、今年もきちんと抑えられるかどうか、まだわからないじゃないですか。だから、“楽しみ”というよりは、“より一層やらねばならないぞ”という気持ちのほうが強いんです」

それでも、その言葉に悲壮感はない。

「少しずつピッチングというものがわかりつつあるような手応えは感じています。そのわかったものをきちんと自分の技術につなげないといけない。頭で理解したことをきちんと再現できる技術、それを継続できる身体作り、まだまだやるべきことは多いです」

このような思いを胸に、原樹理は2019年シーズンを迎えたのだ。

ヤクルトV奪回のキーマンは、もちろん原樹理

今年のペナントレース。セ・リーグの優勝争いは混沌としている。リーグ4連覇を目指す広島東洋カープは、FAにより丸佳浩が巨人に移籍したものの、その穴を埋めるべく続々と若手選手が台頭。総合力の高さは相変わらずだ。一方の巨人は、丸佳浩、中島宏之、岩隈久志、炭谷銀仁朗など、大型戦力補強を断行。3度目の就任となる原辰徳監督の下、巨大戦力でV奪回を目指している。

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ラミレス監督体制4年目を迎えた横浜DeNAベイスターズは「左腕王国」と言うべき豪華先発投手陣が自慢だ。ルーキー・上茶谷大河も上々のプロデビューを飾った。昨年Bクラスに沈んだ中日ドラゴンズは与田剛、阪神タイガースは矢野燿大と、ともに新監督を迎えてチームカラーの刷新を図った。

各チームが虎視眈々と優勝ペナントを狙う中、東京ヤクルトスワローズのキーマンとなるのは原樹理だ。ローテーションの中心として、年間を通じて原が獅子奮迅の活躍を見せることになれば、強力打撃陣を誇るヤクルトにも十分、優勝の可能性が出てくる。

「最近、ようやく打者と対戦する醍醐味みたいなものを感じられるようになりました。ピンチの場面でも、“どうしよう、どうしよう”とならずに、つねに冷静に考えることが大切だと実感できるようになりました。ようやく、“野球をやってるな、ピッチングをしてるな、バッターと勝負できてるな”と感じられるようになったんです」

原樹理がいよいよ本格的に覚醒するときが訪れた。プロ4年目を迎えた背番号《16》は、どんなピッチングを披露してくれるのか? その右腕から繰り出される剛球はどのようにバッターを翻弄するのか? 今年の原樹理に期待せずにはいられない。

(文中敬称略)

長谷川 晶一 ノンフィクションライター

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はせがわ しょういち / Shoichi Hasegawa

1970年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとして独立。以後、主にスポーツ(特にプロ野球)やサブカルチャーをテーマに数多くの著作を刊行。2005年から12球団全てのファンクラブに入り続ける「12球団ファンクラブ評論家(R)」としても知られる。

近著に『正しすぎた人 広岡達朗がスワローズで見た夢』(文藝春秋)『神宮球場100年物語』朝日新聞出版)『道を拓く 元プロ野球選手の転職』(扶桑社)『海を渡る サムライたちの球跡』(扶桑社)『プロ野球アウトロー列伝 異端の男たち』(大洋図書)『決断ーカンボジア72時間ー』(主婦の友社)など。

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