DeNAと関電「異色コラボ」が実現した意外な事情

舞鶴発電所の現場取材で見た石炭火力のいま

関電舞鶴発電所では1週間に1度の頻度で年間50隻を受け入れている(記者撮影)

関電舞鶴発電所で扱う石炭は豪州やインドネシア、中国など世界中の炭鉱から輸入しており、その種類は数十種類に上る。石炭を保管するバースが2基、サイロが5基、ボイラーも2基あり、「A炭とB炭は一緒に燃やせない」「サイロNO.5は×月△日に点検作業で使えない」など、数多くの条件を組み合わせたうえで最適な解を導き出す方程式はかなり複雑だ。

実際、関電舞鶴発電所では1週間に1度の頻度で年間50隻を受け入れているという。舞鶴発電所を象徴する巨大な石炭サイロは5基並ぶ。直径約60メートル、高さ約80メートルに及ぶサイロは1基で10万トンもの石炭の貯蔵ができ、国内最大規模だ。

意外に人手がかかっている

サイロに貯蔵された後、石炭は各サイロの底部から順次切り出されて、ベルトコンベアで運ばれていく。微粉炭機で燃えやすい粉末状にした後、約1500℃のボイラーで燃やされ、約600℃の高温・高圧蒸気が作られる。その蒸気の力でタービンの羽根車を回し、タービンと同じ軸につけられた発電機を回転させて発電する仕組みだ。

石炭は粉末状にして、約1500℃のボイラーで燃やされる(記者撮影)

省スペースで少量の燃料でコストを抑えながら、多くの電気を発電する工夫が見られた。また人手はあまり見られず自動化されているように見えたが、意外と人手がかかっているという。舞鶴発電所の今谷圭一副所長は「石炭火力はかなり複雑で制約条件が多い。人手も労力もそうとうかかっており、ディー・エヌ・エーの技術を導入して効率化していきたい」と話す。

もっとも石炭火力は世界的にみて二酸化炭素排出による環境問題や再生可能エネルギーが普及する中で逆風下にある。ただ日本では再エネが欧州よりも遅れ、原子力発電所の稼働も難しい中で、長期安定型のエネルギーとしての火力発電の価値もあり、関電としては既存設備に最新技術を導入してコスト競争力を高めていきたい考えとみられる。

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