「令和」ビジネスに浮かれる面々への冷静な視線

感心されるか非難されるかは紙一重

また、各出版社では出典となった万葉集の関連本を緊急重版し、すでに新刊の企画・編集がスタートしているところもあるそうです。同様に書店でも、「平成」に加えて「令和」の各コーナーを特設。入り口付近などの目立つ場所に、関連書籍を積み上げています。

その他では、スーパーやホームセンターが日用品などに「令和」のパッケージを施すなど、お祝いムードを演出しつつ販促。小規模経営の店でも、洋菓子、箸、マグカップ、Tシャツ、スマホケース、缶バッチなど、すでに数百の商品が販売されています。さらに、「“令”“和”という漢字が名前に入っていると割引」などの令和キャンペーンを行っている店も少なくありません。

これらを見てどう感じたでしょうか? 「面白い」「企業努力をしているな」と感心されるか、「くだらない」「便乗して見苦しい」と非難されるかは紙一重。しかし、今回は改元まで約1カ月もあるだけに、ビジネスチャンスというよりも、から騒ぎの感が強く、冷めた目線の人が徐々に増えているようです。

ただ、感心されるか、非難されるか。その差を分けるのは、「ビジネスのタイミングが早すぎるから」だけではありません。ビジネスパーソンにとって、ひとごとではない2つのポイントがあるのです。

商品の印象は消費者還元か、自社利益か

1つ目のポイントは、その商品が「ただのお祝いムード」だけでなく、「ほしい」「食べたい」「見たい」などの魅力を持っているか。

今回の改元は天皇崩御によるものではないため、お祝いムードの印象が強いものの、「令和」関連商品が人々に金銭的なメリットをもたらすとは言えません。自分のお金を使うにふさわしい商品でなければ、売れないだけでなく、「便乗商法だ」という非難の対象になりかねないのです。

2つ目のポイントは、「令和」関連商品の印象が、消費者還元なのか、自社利益なのか。

例えば、「日本コカ・コーラ」は、1日13時から新橋で「令和」ラベルのコカ・コーラ2000本を配布し、「タカラトミー」も1日14時から渋谷で「令和」ラベルを貼った「人生ゲーム」を100人に配布しつつ、「人生ゲーム+令和版」の6月発売を発表。そごう・西武も、4月27~30日に「平成」、5月1~6日に「令和」の焼き印入りどら焼きを計5万個配布するようです。

これらはもちろん、企業や商品のPRかブランディングであり、来店客の促進ですが、第一にあるのは消費者還元の意識。「まず消費者ありきで、次に自社利益」というスタンスを感じさせることで、企業と商品のイメージアップにつなげています。実際、コカ・コーラ、人生ゲーム、どら焼きも当面の金銭的にはマイナスであるものの、この先の経営を考えるとプラスの可能性が高く、お祝い事のときほど「損して得取れ」の姿勢が効果的なのです。

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