「令和」ビジネスに浮かれる面々への冷静な視線

感心されるか非難されるかは紙一重

便乗商法はビジネスセオリーの1つではあり、悪いことではないのですが、やり方を間違えると「それに頼らなければいけないほど業績が厳しい」「理念や一貫性に欠ける」などとみなされるリスキーなもの。

前述した「まず消費者ありき」を感じさせなければ、“弱者のビジネス”に過ぎず、「あの便乗商法をやっていた会社」というレッテルを貼られるなど、イメージの面でマイナスになりやすいものです。

もしあなたが「自社商品を販促したい」と思っていたとしても、多くの企業が便乗しようとしている「令和」では、埋没したうえにマイナスイメージで終わってしまう可能性が大。多くの企業が「令和」に向いているからこそ、別アングルでのキャンペーンが際立つ時期であり、それを考えて実現させるのがビジネスパーソンの仕事でしょう。

イメージの面でマイナスなのは、便乗商法に飛びついてしまう消費者も同様。例えば、「『令和』グッズを購入した」とSNSにアップしている、あるいは、社内外の人々に見せるビジネスパーソンは、「仕事のできる人」「センスのいい人」「感度の高い人」「面白い人」と思われるでしょうか。もちろん個人の自由ではありますが、実績や経験を持つビジネスパーソンの多くはそのような振る舞いをしていないことが、何よりの真理です。

メルカリへの出品と巧妙な詐欺

“弱者のビジネス”という意味で、もう1つ象徴的なのが、ネットオークションやフリマアプリ。例えば、「メルカリ」で「令和」と入力して検索すると、4月1日の号外、前述した「令和」の人生ゲーム、ぐい呑み、万葉集のほか、自作らしき「令和」雑貨(Tシャツ、グラス、ネックレスなど)、さらには「令和」の自筆文字までが出品され、検索ヒットを狙って「令和限定値下げ」というキャッチコピーをつけた無関連商品もありました。

私が見た限り「SOLD」の文字は少なく、さほど需要があるとは思えません。「ここが“弱者のビジネス”の最下層であることがわかるから、さすがに買わない」という人が多いのではないでしょうか。

ただ、前述したような「まず消費者ありきの便乗」と感じさせられなければ、どの便乗商法も大差ありません。例えば、令和グッズのスピード販売が「品質より話題性重視の会社」という印象を与え、次の取引に影響を及ぼしてしまう。あるいは、「メルカリ」においても、「令和」号外や自筆文字を出品した人は、その履歴が以降の取引に少なからず影響を及ぼすでしょう。

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