今さら聞けない「介護保険」の仕組み超基本 介護保険と健康保険の違いはわかりますか
50%の税金の内訳は、国の負担が25%、都道府県と市町村はそれぞれ12.5%ずつ負担します。
全国の市町村は一律12.5%を負担しますが、例えば75歳以上の後期高齢者の比率が高いと介護給付費が増える傾向にあります。また、所得の低い被保険者の割合が高いと、介護保険料を高くしないと必要な保険料を集めることができない事態となります。これらの問題を解決するため、国が負担する25%のうちの5%は「調整交付金」として、市町村の財政力の格差を調整するために交付されます。
サービス事業者が提供するサービスの種類とは?
介護サービスを提供するサービス事業者は、提供するサービスの種類ごとに決められた基準をクリアし、自治体の指定を受ける必要があります。
サービスの種類は、一般的に在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの3種類です。
在宅サービスには、訪問介護や通所介護などがあります。施設サービスには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがあります。地域密着型サービスには、小規模多機能型居宅介護や認知症グループホーム、定期巡回や随時対応型訪問介護などがあります。
保険料が払えなかったらどうなるの?
介護保険料は、公的年金が18万円以上の人は年金から天引きされるので保険料を滞納する可能性は低いでしょう。しかし、それ以外の納付書で支払っている人の場合、ついうっかり払い忘れたりすることもあるでしょう。また、もらえる年金額自体が少ないと介護保険料を支払うことが難しい場合も出てきます。
高室さんは「保険料を滞納すると、滞納期間に応じてペナルティが課せられ、納付期限を過ぎると延滞金が請求されます。滞納期間が1年以上になると、サービスの利用料の全額をいったん自分で立て替えて支払うことになります。ただ、申請すると後で9割から7割が払い戻しされます。
また、滞納期間が1年6カ月以上になると、申請による払い戻し金額の一部などが一時的に差し止めされ、滞納していた保険料と相殺されます。滞納期間が2年以上になると、自己負担の割合が3~4割に引き上げられます。また、高額介護サービスの払い戻しが受けられなくなるので注意してください」と話します。
介護保険は保険料と税金で成り立っています。税金や保険料を滞納すると、介護保険の制度自体が危うくなるかもしれません。いざ、自分が介護が必要なときに十分なサービスを受けられるように、滞納することなく支払うことが大切です。