広島カープ「壮絶すぎるチケット購入」の舞台裏

抽選券求めて飛び交う怒号、5万人超が殺到

広島のスポーツニュースサイト「ひろスポ!」の責任編集者、田辺一球氏は「毎年繰り返される混乱の原因は、根本的な部分でチケットの特殊な売り方を改めないことにある」と指摘する。

1シーズン分の全チケットを開幕前に一斉に売り出す販売方法を採っているのは、カープと阪神タイガースだけ。ほかの10球団は、ゲーム開催日前月の初旬というのが平均的な姿だ。

特殊なのは発売時期だけではない。球場窓口での販売をインターネット販売よりも先行させるという点も、1人が1度に購入できる枚数に制限を設けていないという点も特殊だ。

横行する高額でのチケット転売

他球団はファンクラブ会員であっても、会員のランクに応じて発売開始時期も、購入可能な枚数の上限も変えている。それでも最高ランクの会員でも1度に購入できる枚数はせいぜい10枚程度が上限だ。

カープの場合、かつては何試合分でも、何枚でも購入できた。しかし、昨年から1人が購入できる試合数を最大5試合に制限するようになった。それでも、枚数制限を設けない方針は今年も変えていない。このため、窓口で長時間粘る大量購入者が現れ、整理券を持っていても希望の日程の指定席のチケットを購入できない。

当然のように高額転売も横行している。チケット転売サイトには、年間シートホルダーやファンクラブ会員からの出品と思われるチケットが2月になると大量に出品され始める。抽選結果が発表されると当選した抽選券が、そして、3月1日以降は球場窓口で購入したと見られるチケットの出品が始まる。

転売目的でチケットを購入する、いわゆるチケットゲッターだけでなく、これだけ騒ぎが恒例化すると、ごく普通のファンでも整理券を入手できたらと仲間の期待を背負い、大量購入に向かう。

「一括販売をやめて他球団同様に販売時期を分散し、1人が1度に購入できる枚数に制限を設け、球場窓口での販売をやめてインターネットでの販売のみに切り替えれば、このような混乱は回避できる。カープファンがもっとも臨んでいるのは、枚数、購入金額への上限設定だ」(田辺氏)

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