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人はなぜ、オカマバーにいくのか 忘年会に高額オカマバーに集う、エリートたちの心理

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オカマバーも、人間力勝負

そんな“わが道を行く”ママ……というかパパ……というかジジの真価を感じたのが、友人が人生相談したときだ。別に私は相談するような悩みもなかったので、友人がしていた恋愛相談やキャリア相談を聞いていたのだが、なるほど真剣な、相手の骨の髄を見通すような視線で話に聞き入り、本当に親身になって、長年の人生からしみ出るアドバイスを一つひとつ丁寧にこなす。

彼女はセクシャルマイノリティとして差別に苦しんできて、人間の弱さや怖さも身にしみて知っているだけに、相手に寄り添ったときの優しい助言は、長年の苦渋の経験が豊富な肥やしになっているのだろう(こういったありふれた分析が本当に正しく一般化できるかは疑問だが、この方に関しては確かに深い悲哀を感じることもあった)。

恋に苦しみ、人生に苦しんだ果てに達観しているのが一流のオカマであり、それは寂しさや苦しさを道化の猥談でごまかし、それだけが商売のタネになっている下品なだけのオカマの何歩先も行っている。

そこで思ったのは、別にこのお店はオカマバーだから来ているのではなく、このママさんがいるから人が来ているのだ、ということだ。

結局、コンサルだろうが金融だろうがオカマだろうが、最後にプレミアム価格を請求しても顧客が喜んで払ってくれるのは、「あなたという余人をもって代えがたい人がやっているから、私はほかの店にはいかず、あなたのところに来ます」ということである。一流の、いちばん稼いでいるオカマのドンは、オカマだから稼いでいるのではなく、その人個人だから稼げているのだ。

このママさんは築き上げた個人の魅力で、ライバルであるほかのオカマバーからだけでなく、銀座のクラブからもほかの高級バーからも、業界の垣根を越えて顧客を獲得している。お客はオカママーケットからではなく、垣根を越えてさまざまな人の紹介で、この人に会ってみたい、という理由でビジネスがどんどん大きくなっている。

金融するにしてもコンサルするにしてもオカマバーするにしても、結局、いちばんの差別化要因は自分自身の人間力を磨き、「あなたと会いたい」とお客さんに思ってもらうこと――それが1時間で20万円とって、なおかつお客に満足される、伝説のオカマバーからの、重要なビジネスインプリケーションなのである。

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