就活生が陥る「やりたいこと症候群」の脱出法

「やりたい仕事」はどのように探せばよいか

この手法のいいところは、自分の自信を失わずに「やりたいこと」を探すことができ、かつ自分がうまくいきそうなことをやることで、経験と実績も手に入れられるということだ。言ってみれば、リスクを取らずに「やりたいこと探し」と「経験や実績の積み上げ」を両立できる。

具体的には、次のようなステップで進めていく。

ステップ1:自分の過去の経験から「感情の癖」や「価値観」を抽出し、「やりたいこと」を探る(確定させるというより、やりたいことのヒントを手に入れる)
ステップ2:同様に自分の過去の経験から、「できること(知識/スキル)」「できないこと(苦手意識)」を抽出し、「うまくいきそうなこと」を決める

「やりたいこと」は感情に左右されやすいため、「感情の癖」「価値観」といった自分の感情をコントロールしているものを探ることで見つけ出す。一方、「うまくいきそうなこと」は、自分の「できる(得意な)こと」や「できない(苦手な)こと」といった能力や経験によって見いだすことができる。

「感情の癖」が自分の行動を支配している

ここでいう「感情の癖」とは、「自分はどんなときに楽しいと感じるのか?」「自分はどんなときに落ち込むのか?」といった感情(喜怒哀楽)が動く際の共通点を指す。これをまず見つけることから始める。

感情というのは諸刃の剣で、自分を絶好調な状態にもしてくれるが、自分をとんでもなく落ち込ませ、何も手がつかない状態にもしてしまう。だからこそ、自分の感情の癖を知っておくことは、日々の生活や仕事のパフォーマンスを高水準に保つうえでも重要だ。

「やりたい」という気持ちは、義務感ではなく、純粋にポジティブな感情だ。自分がポジティブな感情になる際の癖(条件)を理解し、その癖を満たすことができる仕事や環境を手に入れれば、それが「やりたいこと」につながる。

また、自分の感情の浮き沈みがどのようにして起こっているのかがわかれば、落ち込んだ状態からすぐに復活できるだけでなく、自分の感情が沈んでいることにいち早く気づいて対処することもできる。

一方の「価値観」は、物事の価値を判断する際、基準となる個人の考え方を指す。自分が「すばらしい」と思ったり、「経験してよかった」と思えることには、自分の価値観が隠れている。

そもそも価値観には個人差がある。同じ物事であっても、ある人は価値を感じ、別の人は価値を感じないなんてこともある。同じ仕事をしていても、価値を感じ、充実した気持ちで仕事に取り組む人もいれば、まったくモチベーションが上がらない人もいる。

自分のモチベーションの源泉である「価値観」を理解すれば、自分の「やりたいこと」を探すヒントになる。また、今自分が担当している仕事に対して、「自分の価値観に合うように」仕事を捉え直すことで、仕事に対するモチベーションを上げる工夫だってできる。

「感情の癖」や「価値観」を洗い出して、自分の「やりたいこと」が見つかれば、「やりたいこと症候群」はすぐに解消する。しかしながら、そう簡単には「やりたいこと」は見つからない。

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