なぜかというと、20代(特に就活生)の場合、「仕事の種類(選択肢)」や「社会人としてのキャリアパターン(型)」に関する情報が圧倒的に少ないことが影響している。何となくこういった条件を満たす仕事であれば「やりたいこと」になりそうだけど、それがどんな仕事、働き方なのかわからない、という状態だ。
情報が不足していることで、「やりたいこと」が見つからないのであれば、情報収集する時間が必要だ。ただ、情報収集している間、自分の進路が決まらないと悩み続けなければならない。そんなときの打開策が「うまくいきそうなこと」を仕事にすることなのだ。
『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)などで活躍する林修先生は、「やりたいことよりもできることで選んだほうが人生はうまくいく」と言っている。筆者も必ずしも「できること」でなくても、「うまくいきそうな(確率が比較的高い)こと」を軸に20代の内はキャリアを形成し、それと並行して「やりたいこと」を探し続ける手法のほうが、リスクは少ないと考えている。
「うまくいきそうなこと」を探すためには、自分が経験したことの中から「できること(知識/スキル)」と「できないこと(苦手意識)」を洗い出すことから始める。これらを洗い出すと、「できることのリスト」と「できないことのリスト」ができる。それらのリストに、志望する仕事や、今やっている仕事を照らし合わせて、チェックを入れていく。
そうすることで、どれだけ自分にとってうまくいきそうな要因が多く、かつうまくいかなさそうな要因が少ないかを可視化することができる。
いままでの出来事をグラフ化して整理
ここまで「やりたいこと」や「うまくいきそうなこと」を探すことで、「やりたいこと症候群」を治すことを解説してきた。しかし、実際にやってみないとイメージできないと思うので、実践する方法を説明していきたい。
「やりたいこと」を探す際には、「ライフチャート」というものを使う。これは、自分の人生に関して、生まれてから現在までの充実度をグラフに表して可視化する手法だ。自分の人生を「充実度」というものさしでグラフ化することで、今までの経験を整理することができる。
ライフチャートの作り方は次の手順となる。
手順2:出来事ごとに充実度のスコアをつけて、グラフ化する
手順3:それぞれの出来事から「感情の癖」「価値観」を抽出する
「4つの時代」とは、幼少期(12歳以下:家庭環境の影響が大きく、自分の感情に正直な時代)、思春期(13~18歳:さまざまなことを経験し、考え、自分を変えていく時代)、成人期(18~22歳:ある程度の自由を手に入れ、自分で物事を選択する時代)、社会人期(22歳以上:社会ルールとの共存が求められ、自分の将来を考える時間が増える時代)に分類される。
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