未知なる仕事をざっくりと捉えていては、踏み出した一歩が正しいのかどうかがわかりません。ですから、まずは行動を分解してみましょう。
では、どのように行動を分解してKPIを見つけ出すのか例を挙げてみます。
プレゼンスキルを分解してみよう
例えば、なかなか上達するのが難しいコミュニケーションスキル。これも、行動を分解することで何をどう向上させたらいいのかが明確になってきます。プレゼンテーションスキルの向上は私自身、コンサルタントになったときからずっと上達させたいと思い、独立して講師としてほぼ毎日話している今でも、PDCAを回しています。
プレゼンテーションスキルは「プレゼンス」「コンテンツ」「デリバリー」という3つに要素を分解できます。
→専門性や人間性が伝わるような自己紹介をする
→服装や姿勢、立ち居振る舞いで印象をコントロールする
→熱意を感じさせるアイコンタクトをする
→プレゼン資料をわかりやすいビジュアルにする
→記憶に残るキーワードを作る
→ストーリーにメリハリを出す
→エピソードを多めに入れる
→聞き取りやすい話し方や発声をマスターする
→アイコンタクトをしっかりとする
→動きやジェスチャーを取り入れる
こう分解すると何が足りていないのか、どう伸ばしていくのかが具体的になってきます。分解していない場合、プレゼン後に何を改善したらよいのかがわからず、「私は話すのは向いてない……」と漠然とした苦手意識で終わってしまいます。
このKPIはいつでもどんな仕事でも同じとは限りません。私の場合、コンサルタント時代はコンテンツが重要だったので、わかりやすい資料作りをKPIとしてPDCAを回してきましたが、独立後は講演など初めてお会いする大勢の人々の前で話す機会が増えたため、プレゼンスの向上をKPIとして設定しました。毎回のプレゼンや講義で重点テーマを決めて、参加者からのフィードバックでできているかどうかを確かめ改善しました。
ほかの方の例を挙げてみましょう。
あるテレビアナウンサーの方がテレビ通販で有名なジャパネットたかたに転職しました。「自分は長年テレビに出ていた話すことのプロだから絶対に売れる」と自信満々だったのですが、始めてみたらまったく売れなかったそうです。そこで元アナウンサーのプライドを捨てて、高田明社長の話し方を分析したところ、「話の間(ま)」と「商品の持ち方」が視聴者の興味を惹きつける重要なポイントだと気づき、徹底的に練習したところ売り上げ1位を達成したそうです。
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