人前で緊張する人が「最初の3分」にすべきこと 冒頭での「自己紹介・時事ネタ」は逆効果

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緊張による震えでも同じです。あなたのプレゼンを聞いている人たちは、小さな震えくらいならほとんど気にしていません。あなたの緊張は、意外と「緊バレ」(緊張がバレること)していないのです。その場で気にしているのは、実はあなただけ。緊張すると人は神経が研ぎ澄まされるもの。だから緊張や震えが異常に気になってしまうのです。

だから本番前と本番でプレゼンを録画してみて、自分が気にしている点と、実際に見て気になる点の違いを確認しましょう。あなたが録画で見ている姿を、お客さんも見ています。自分を知れば、余計なことを心配する無駄なエネルギーを使わずに済みます。

聴き手の興味はテーマにある

ポイントその2:危険な「3J」を避ける

緊張のピークは冒頭にやってきます。そんな大事な冒頭でのダメネタは、自己紹介、時事ネタ、自慢話の「3J」です。聴き手が3Jを聞きたいのは、キムタクか海老蔵くらいです。

こういうと「最初に自己紹介をするのが礼儀だ」という方が多くいらっしゃるのですが、これは大間違いです。実はビジネスプレゼンの聴き手は、講師には興味がありません。興味あるのは、テーマです。ダラダラ自己紹介している人に、聴き手は「早く始めてほしいなぁ」と思っています。

しかしそんな聴き手も、自分が話す段になると自己紹介から始めるから不思議です。講師の自己紹介は、簡単に司会者にしてもらうか、資料に書いておくといいでしょう。冒頭の3分は緊張のピークであり、聴き手が聞くか聞かないかを決めるタイミングです。ここを逃してはいけません。

例えばプレゼンで、1枚目にこんな資料を使う人がいます。

このような自己紹介や趣味・家族自慢には、聴き手は100%興味ありません。

地方で話すとき、ご当地ネタも注意が必要です。その土地の方々に気遣って話す方が多いのですが、外すことも多いからです。

ある地方で話したときのこと。冒頭で「実はこの土地の出身で、両親もこのホテルで結婚式を挙げまして」と話したら、聴き手の皆さんの表情が硬いままです。水を打ったように静かになってしまいました。「これは外した」と思いました。案の定、講演後のアンケートでも満足度が低かったのです。

ご当地ネタは、間違ったことを言って失敗するリスクが高いのです。大阪の講演会の冒頭で、「吹田」を「ふきた」と言ってしまい、微妙な空気が流れたという知人の話を聞いて、「いやいや、そのくらいは知っててほしいかも」とも思いましたが、危険レベルは中の上クラスです。

せっかく用意していったネタがウケず、冒頭で空気が冷えてしまうと、温め直すのに時間がかかります。とくに緊張している人にとってはムダな体力を使ってしまうのでダメージが大きいのです。できればご当地ネタは避けましょう。

まず基本に戻りましょう。あなたの目的は何ですか? 冒頭の3分を乗り切ることでしたよね。だから地元ネタを言わなくても、何も問題ありません。冒頭3分で最優先すべきは、本題です。

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