「根拠なき数字目標」を掲げてしまう上司のなぜ 場当たり的な方針を上司が決める3つの理由
こういう人は、社長の方針が変わったら、すぐに自分の主義主張まで変えるでしょう。経営企画から施策が出たら、いち早く採用するのでしょう。一見スピーディで物わかりがよさそうですが、その施策が自分の部署、ビジネスにどう影響するのか、本当に問題はないかといった検討をしません。要は社長の方針に従うのが最優先なので「忖度優先型」なのです。
理論武装した「場当たり的」本部長
3つ目の「自己優先型場当たり的症候群」のC本部長は、別の会社でお目にかかりました。この方の部署で第一に掲げられていた「戦略」は「原点回帰」。その意味を尋ねると、「そもそもわが社の創業理念は『顧客第一』です。他部署はそれを忘れてしまっている」とのこと。そして、他の部署の批判を始めました。
とても押しが強い人でしたので、たぶん部下は彼に「顧客第一だ」と言われると、私のように反論はできず、ただそのとおりだと聞くしかないのだろうと思いました。
彼が恐ろしいのは、誰も反論できない一般論を持ち出して、ほかの本部や本部長を批判している点です。「顧客第一」といった主張は誰も否定できないもので、問題はそれをどう実現するかなのですが、その戦術は示していません。