「根拠なき数字目標」を掲げてしまう上司のなぜ

場当たり的な方針を上司が決める3つの理由

「場当たり的」な言動はなぜ生まれてしまうのでしょうか(写真: EKAKI/PIXTA)
会社や上司が「場当たり的」だ。そう感じたことがある会社員は少なくないのではないか。方針がコロコロ変わる。根拠不明な数値目標を挙げる。「社員の自主性」を口実に、下にすべてを丸投げする。なぜこんなことになるのか、『「場当たり的」が会社を潰す』から一部抜粋し再構成のうえお届けします。

「場当たり的」言動の3パターン

「何だかこの前と言っていること違わないか?」「この目標、ホントに達成できるの?」「この戦略で大丈夫?」――こんな疑問が頭に浮かび、「ウチの会社、『場当たり的』なのでは……」という不安を抱いた経験のある会社員は少なくないのではないでしょうか。新著はそういう方々に向けて、「場当たり的」の発生のメカニズム、背景と解決法を示そうと思い執筆しました。

実のところ、日本にはそんなふうに社員に不安を抱かせてしまう会社が山ほどあります。私は、営業に関する研修で、数多くの企業に関わってきました。打ち合わせでは、役員や部長クラスの方に現状をお聞きします。

そういう際にも、「場当たり的」な言動を目にする機会は驚くほど多いのです。そんな経験を重ねるうちに、「場当たり的」言動には3つのタイプがあることがわかってきました。「力学優先型場当たり的症候群」「忖度優先型場当たり的症候群」「自己優先型場当たり的症候群」です。

どんなものか、順番に見ていきましょう。

ある大手企業のA本部長。担当部署の今期の「戦略」として、「売上対前年度8%アップ」を掲げていたので、私は「この8%の根拠は何か」を尋ねました。

A本部長:根拠? そんなものはありませんよ。強いて言うなら、前年が5%アップという目標を掲げていたにもかかわらず、3%ダウンに終わった。だからその分を挽回せねば、ということです。
:なるほど。それでそのための戦術は何ですか。
A本部長:今、それを考えるように部下に指示を出しています。

A本部長の話をまとめると、以下のようなことでした。戦術は部下に考えさせ、自分はとりまとめ役に徹する。昨年の不振の原因も部下に分析させているところだ。ただ、自分としては訪問数が不足していると思っているので、1日3件の訪問を評価に反映させると宣言したところだ――。

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