「子育てと仕事」の両立、働く男女の悩みと本音 当事者や一緒に働く同僚の「意識と実態」
M字カーブが解消の傾向
総務省「就業構造基本調査」によれば、2017年の30~34歳の女性の有業率は74.0%で、1977年の43.8%から30.2ポイント上昇し、調査開始以来で最高の水準となっています。また、晩婚化・晩産化の進展により、出産・育児で職を離れる女性の割合が最も高くなる(M字カーブの底の部分に相当する)世代は、1977年の25~29歳から2017年は35~39歳と年齢が上がっています。
M字カーブ解消の背景には、働く意欲のある女性の増加や子育て支援策の充実に加え、人手不足などを背景に企業が子育て世代の女性の採用を増やしていることが考えられます。
ただし、育児をしながら働く女性が増加しているだけでなく、未婚化・晩婚化・晩産化により30代前半で出産・育児をする女性そのものが減少している点にも留意が必要です[30代前半の女性の未婚率は1975年7.7%→2015年34.6%、女性の平均初婚年齢は1975年24.7歳→2016年29.4歳、第1子出産時の母親の平均年齢は1975年25.7歳→2016年30.7歳(総務省「国勢調査」、厚生労働省「人口動態調査」)]。