お堅いブラザーが、恋愛ゲームを作ったワケ 「恋する!brotherくん」の真意をブラザーに直撃取材

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目標比4倍のページビュー、海外からの反響も

これ以上はネタバレになってしまうので、ご自身で体験してほしい。ちなみに物語の後半では重要な役割を果たすもう一人の人物、ブラ男の父親「父ブラ」も登場する。ネットではこの突っ込みどころの多いコンテンツと、それを唐突に公開したブラザーに対する喜びや驚き、中には困惑(?)の声が相次いだ。

「ブラザー工業ワロタwww」

「誰得なの?」「くそうっ、、笑」

「えっと……ごめん。わけがわからないよw」

「つい読んでしまった。カラープリンター欲しい。」

「ちょうどブラザーが紙詰まりしてイラついてるときに読んで、ちょっとだけほっこりしたよ!ちょっとだけな!」

さらにブラザーの元社員と思しきツイッターユーザーも反応。

「昔、brotherのデザイン室に勤めていたんですが、こんなエキセントリックなゲームを作る所だとは思っていませんでした」

こうした声についてブラザーの担当者に率直な感想を聞いた。「予想以上の反響。この企画を通じてより多くの方にブラザーおよび製品について知っていただければと考えている」という。こうしたユーザーからの反応はある程度狙っていたということだろう。

だが、社内で反対は起きなかったのか。「確かに今までのブラザーのイメージとは違うイメージであったが、ブラザー認知度向上・製品拡販には有効と考え、社内調整を行った」(ブラザー担当者)。

続いて、コンテンツの真意を聞いた。まず、この目的は登場する複合機の認知向上、拡販。主なターゲットは、インターネット、特にソーシャルメディアユーザー。公開前の目標については、「以前、NTTレゾナントさんにおける販促のキャンペーン(gooスマホ部のレーザー製品商品レビュー)を行った際、ページビューが期間約1ヶ月で約5000PV。今回はそれを上回る結果を目指した。通常ウェブでキャンペーンを行う際は、約1万PVを目標としている」とした。

その結果、「今回のキャンペーンを12月13日から開始したが、(12月17日午後7時の時点で)すでに約4万PVを達成。ニュース記事や海外からの反応もあり、予想以上の反響。ブラザーに注目が集まるようなコメントを多くいただいている」という。

なぜ恋愛シミュレーションゲームなのか、という問いに対しては「ブラザーは現在、インクジェットプリンター業界における確固たる第3の選択肢になることを目指しており、認知度アップ・拡販のためのチャレンジングな施策を各ターゲットに合わせて行っている中での施策の一つ。本企画は、ウェブでの売上をどのように上げるかという観点でスタートしている。『恋愛ゲーム』は手法であり、製品をより分かり易く理解してもらうことを目的とした結果である」という。

なお、このゲームの今後の展開については、「現時点でお話しできるものはない」とのこと。

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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