軽視する飼い主は危ない「ペット太りすぎ問題」 ペットの肥満率が年々上昇している

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とは言え太ってからのダイエットより、太る前の予防のほうが大切なのはペットも人も同じ。ペットの肥満を防ぐには、定期的に体重を測るのも1つの方法だ。わが家のハバニーズは、動物病院を受診する際(定期受診であれそうでない場合であれ)には必ず体重を測ってもらっている。

そして、もし体重が230グラム以上増えていたら、えさやおやつを少し減らすことにしている。リンダー准教授は、おやつの量は1日の摂取カロリーの10%を超えないように気をつけるべきだと言っている。

おやつは量がどんどん増えていく危険性も

「ペットはかわいいし、おやつをやりたくなるものだが、おやつのカロリーへの配慮はおざなりになりがちだ」と言うのはコーネル大学獣医学部のジョン・ロフタス准教授だ。「(おやつは)時が経つにつれてだんだん量が増えていく。えさ以外で飼い主の愛情を示すほうがいい」

リンダー准教授によれば「髄の詰まった骨や牛皮といったものも含め、あらゆるものがおやつだ」という。人間の食べ物も(飼い主からもらうにせよ盗み食いにせよ)同じだ。訓練目的で使うおやつは、1つあたり数キロカロリーの小さなものにしたほうがいい。

おやつをやりすぎるより、ボール遊びの「取ってこい」や、綱引きで犬への愛情や関心を示そう。運動にもなってカロリー消費につながるから一石二鳥だ。ネコもおもちゃのネズミやひも、毛糸玉といった取っ組み合いで遊べるものが大好きだ。高齢だったり遊びたがらないペットには、優しく触れたり腹をなでたり、耳の後ろをかいてやるといい。

1日に何回食べ物をやるにせよ、毎回量を量って与えるべきだ。ペットフードのパッケージに表記されている標準量を参考にする人は多いが、これは一般的なガイドラインで、多すぎることもままあるとロフタス准教授は言う。代謝や活動量はそれぞれの個体によって異なる。与えているえさの量とペットの体重の増減を見て判断するのがいちばんだとロフタス准教授は言っている。

同じくコーネル大学獣医学部のジョゼフ・ワクシュラグ准教授は「パッケージには『初めて与える場合は、標準量の下限を与えるようにしてください。そして体重が減る場合に限って量を増やしてください』と書くべきだ」と主張する。

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