軽視する飼い主は危ない「ペット太りすぎ問題」 ペットの肥満率が年々上昇している
ペットフードはドライフードか缶詰か、もしくは併用のいずれがいいかについては、ロフタス准教授は「どれがいいかについて結論は出ていない」と語る。また、ワクシュラグ准教授はこうも言う。
「問題はカロリーであって、ペットフード(の種類)ではない。高カロリーの食べ物をごく少量与えるというやり方でも、量さえ守ることができれば体重は減らせる。一般的には、同じダイエット用のペットフードでも、缶入りのほうがドライよりもカロリーが低いことが多い」
同じくらい重要なのが、必要以上にえさをねだるペットに対して飼い主がノーを言えるようになることだ。リンダー准教授は言う。「栄養学的に必要な分のえさを与えられていれば、ペットが空腹ということはない。ペットが本当に求めているのは飼い主の関心だ。遊びで食べ物から気をそらしたほうがいい」。
ネコには自動えさやり機がおすすめ
ネコは犬よりさらに大変かもしれない。ネコはだらだら食いの傾向があるから、えてして飼い主はえさを四六時中置いておきがちだ。これは問題だとリンダー准教授は言う。
「好き勝手にえさを食べて減量できたペットにはお目にかかったことがない」。ネコが早朝4時半からえさをねだりに来る場合には、自動タイマー付きのえさやり機を使うのがお勧めだとリンダー准教授は言う。ネコはすぐにえさやり機からえさが出てくることを学び、飼い主を起こすまでもなくえさやり機の前で待つようになるというのだ。
犬の健康全般にとって、1日に15〜30分の運動習慣が重要なのはもちろんだが、それだけでは太った犬の減量にはまず足らないとリンダー准教授は言う。「毎日5キロは走らないと。その辺を歩いて回るだけでは、おやつのカロリーは燃焼しない」
週あたり体重の1〜2%を減らすのが理想の減量ペースだ。えさの量を減らしても十分な効果が得られないときは、ダイエット用のえさが市販されているほか、獣医師から処方してもらうこともできる。えさを変える際は消化管の不調を起こさないように、1〜2週間かけて少しずつ行うこと。またダイエットを始める前に、過度の体重増の理由が病気なのかどうか、確認するために検査の予約を入れることが重要だ。
(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2019 New York Times News Service
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