新婚41歳女性が「お金と妊活」で苦悩するワケ 一回り年下の夫と暮らす幸福の一方で…

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年の差は感じず対等な関係で付き合っていた。30歳が目前となり、奈菜さんのほうから結婚することを切り出した。しかし、憲弘さんにはまったくその気がない。仲はよくても別々の道を歩むしかなかった。

その後は意識して婚活をしたという奈菜さん。結婚相談所や婚活パーティーは活用しなかったが、飲み会などには積極的に参加してできるだけたくさんの人に会った。目立つ美人である奈菜さんは男性から声をかけられることも少なくなかったが、結婚に至るような交際はできなかった。

「既婚者から遊びに誘われることは多かったけれど、それは30代の女性ならばみんな経験している現象ではないでしょうか。独身男性とも3、4人とはお付き合いしました。でも、二股をかけられたりして数カ月で終わってしまうことばかりでした」

気が付くと30代も終わろうとしていた。そんなときに出会ったのが、今度は一回り年下の和也さん(仮名)だった。あるライブイベントで一緒になった別のバンドメンバーで、イベント終了後にメールで食事に誘われた。

「かなり年下なので、男女関係などは考えずに行きました。普通に楽しかったですよ」

和也さんのほうは奈菜さんに一目惚れしていたようだ。2回目のデートでは奈菜さんの一人暮らしの家に来て、そのまま居ついてしまったという。音楽仲間であること以外に奈菜さんは彼のどこを好きになったのだろうか。

「私との関係性を大事にしてくれそうと感じたからです。私と同世代の独身男性は年下の女性を狙うことが多いと思いますが、彼は年齢差を気にしていません。一度聞いてみたら、『年上? それがどうしたの?』という反応でした」

自分と同世代だったら結婚しなかったかも…

クールビューティーに見える奈菜さんだが、「30代はずっと独りで寂しかった」と率直に話す。一緒にいて居心地の悪さは感じないという前提で、遊びではなく真剣に交際してくれる男性を強く求めていたのだ。

結婚後、理解と忍耐が必要な場面も少なくない。その1つが、まだ若い和也さんの金銭感覚だ。彼はアルバイトをしながら音楽活動をしているが、将来は老いることをまったく想定しておらず、年金はおろか国民健康保険料すら払っていない。自分は病気にならない!と言い切っているのだ。「アリとキリギリス」のキリギリスを地で行く人物である。

「家賃は半分負担してくれていますが、生活費は私が多く出しています。家事の負担も私のほうが多いです……。彼は放っておくと使ってしまうので、アルバイトの給料日に家賃+αのお金をもらうようにしています」

和也さんが自分と同世代だったら結婚しなかったかも、と明かす奈菜さん。自分よりはるかに若いので許せる部分もあるのだろう。しかし、29歳でお金にルーズな人が10年後には堅実になっているとは思えない。才能豊かな奈菜さんが強大なアリになり、華やかなキリギリスを扶養していくしかないように筆者は思う。

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