シングルマザーへの偏見が建設的でない理由 データを見ればやるべきことは決まっている
「シングルマザーの貧困」については多くの読者の関心が高いようだ。筆者も過去に記事にしたところ、かなり多くの反響をもらったことがある。
実際には筆者には子どもはいるものの、男性であり、かつ離婚していないので、当事者の立場からの記事を書けない。ただ公的なデータを基に実情を淡々と分析したことで逆に「新鮮に映った」という感想も多かった。そこで今回はより具体的に考察していきたい。
父子家庭と母子家庭で約2倍の収入格差があるのはなぜ?
わが家の3人の子どものうち、2人が女の子であるため、父という立場からも、「シングルマザーの貧困」問題は他人事ではないと思っている。 厚生労働省が発表した「2017年 人口動態統計」によれば、離婚率(人口1000人に対して)は1.7‰(パーミル、パーセントではない)なっている。3組に1組が離婚するという話をよく耳にすると思うが、実際はそこまでは多くない。それでも、自分の娘が将来シングルマザーにならないとは断言できない。
2017年にOECD(経済協力開発機構)が発表した『Educational Opportunity for All』によれば、ひとり親世帯で、なおかつ親が就業している場合の相対的貧困率(全国民の所得の中央値の半分を下回っている割合)は、日本が54.6%とOECD加盟国平均の21.3%を大幅に上回り、断トツで高い。さらに、日本では父子世帯と母子世帯を比較すると、シングルマザーの厳しさはさらに際立ってくる。
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