就活「適性検査」はどこまで重視されているのか 足切り、配属で活用…現役人事が使い途解説

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検査結果と面接の結果にそれほどギャップがなければ、その両方の情報を基に、自社との適性を考えればいいだけですが、問題はギャップがあったときです。採用に人や時間を使える会社であれば、次の選考で再確認ができますが、そこまで時間のかけられない会社の場合、いくら適性検査の結果が基準を満たしていても、面接で得た情報を重視して選考することが多いようです。

つまり、適性検査で自分と違う人間を演出しても、面接の段階で、結局はあまり意味のないことになってしまうことが多いのです。ギャップが原因で面接に落ちてしまい、そこまでの時間が無駄になることを考えれば、適性検査の時点で足切りされたほうが、自分に合った会社の選考にもっと時間がかけられたということは、十分にありうることなのです。

できる限りギャップを生まないようにするためにも、自己分析や他己分析等で、自分がどういう人間かを理解したうえで適性検査を受け、面接でも同じように自分がどういう人間かを説明できる準備をすることが大事です。

「自分を把握する」ことが一番の適性検査対策

なんでもできるようなスーパー人材を、どの会社も求めているわけではありません。そんな人材が、世の中にたくさんいないことも、簡単に採れないことも、多くの人事担当者はわかっています。そして、人には長所ばかりでなく短所があり、表裏一体であることも理解しています。

まず人事担当者が、何よりも安心するのは、その人が「どんな人かわかること」です。

会社で働く人には、さまざまな役割があるため「こういう人が正解」という一律に決まったモデルは、実はないのです。人気企業の少数採用においては別ですが、多くの会社では、あらゆる可能性を見ながら採用を行っています。活躍できるかどうかは、当然、その人の入社後の行動次第ですが、その人の個性や特徴が当てはまる仕事は必ずどこかにあります。

「こんな私でも必要としてくれる企業があるのだろうか……」と悩む前に、自分を頼ってくれる人や、一緒に付き合ってくれる人たちが、なぜ、自分とつながってくれているのかというポジティブな事実に目を向け、自分の存在を肯定的に捉えながら、よい部分も悪い部分もまずは受け止めることから始めましょう。

そして、自分がどういう人間かをつかみ、等身大の自分を適性検査でも面接でも表現できる準備をすることが、自分に合った会社に就職するために大切な行動の1つだと思います。選考の本番はこれからです。以上のことを踏まえて適性検査に臨んでいただければと思います。

豊川 晴登 人材ビジネス企業 人事・採用担当

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とよかわ はると / Haruto Toyokawa

1974年生まれ。ベンチャー、中小、大手上場企業など複数の企業に勤務し、小売、金融、保険、アウトソース、人材等の事業領域で人事を中心としたキャリアを積む。事業責任者、上場企業の執行役員等の経験を経て、現職に至る。GCDF-Japanキャリアカウンセラー。

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