就活「適性検査」はどこまで重視されているのか 足切り、配属で活用…現役人事が使い途解説

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1. 「足切り」に利用する場合

面接は時間と手間が大きく取られるため、対象者をできる限り「入社して活躍する可能性が高い人材」だけに絞りたいというのが、多くの人事の本音です。そこで、面接する前に適性検査を行い、一定の基準に満たなかった学生を足切りします。どんな基準で足切りするかは、会社によってだいぶ違っています。

多いのは、「基礎能力」による足切り。読み書きや計算能力などについて、一定の基準に満たなかった人を足切りするパターンです。ある意味、大学の偏差値で足切りするのと、大差はありません。

ただ、自分が見てきた経験から言うと、基礎能力の結果は、大学の偏差値とある程度比例する部分があるものの、必ずイコールになるわけではありません。これは、求められている能力が、大学受験で測る能力と適性検査で測る基礎能力とでは、異なる部分があることと、大学入学後の本人の努力によって、基礎能力は高められることが影響していると思われます。

ですので、大学の偏差値だけで足切りする会社よりは、費用をかけてまで適性検査を受検させる機会を与えてくれている会社のほうが、ある意味平等で、学生にとっては良心的な会社という見方もできるかと思います。

基礎能力の対策はやっておいて損はない

「基礎能力は社会人にとって本当に大事なのか」という学生もいるかと思います。しかし自分は、大事だと思います。ビジネスにおいては、社内外問わず、多くの人とのコミュニケーションが必須となるため、人の言っていることや、書いてあることをできる限り正しく理解する能力、そして人に正しく伝えられる言語能力は、会社の生産性に大きな影響を与えます。また、ビジネスでは数字を正しく、そしてうまく使うこともあるため、計算基礎力についても同じです。

さらに、業務内容によって、求められる能力レベルは変わってきます。そのうえで、基礎能力が高いに越したことはありません。つまり、基礎能力を上げる努力は、学生のうちにできる限りしておいたほうが、適性検査対策になると同時に、社会人として活躍できる可能性も高まります。「逃げずに取り組んだほうがいい」ということです。

先ほども書きましたが、結果は大学の偏差値とは必ずしもイコールではありません。学生の間に努力することで、アップさせることができる能力です。適性検査があることへの文句を言うより、1日でも早くそこに向き合う努力をするほうが、メリットは多いと思います。

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