女子の悩み「就活おしゃれ」はどこまで可能か 服装や髪型…無理に同じ格好にする必要ない

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学校という場は、ルールが明確な試験という評価基準があり、「落ちる=ダメなこと」という価値観が学生に根付いています。でも就職活動は、試験やテストではありません。評価の判断は企業や人によって異なるのです。自分らしい“就活おしゃれ”をして面接に臨み、自分の考えを述べたうえで、合否をもらうことが大切です。ちゃんと落ちることで、自分に適した企業が見えてくるでしょう。

「このカラーリングの色はOK?」「ピアスや指輪は問題ない?」「黒目を大きく見せるカラコンは大丈夫?」。これらは人により判断が分かれる質問でしょう。ぜひ自分で考え、自分で決めた“就活おしゃれ”をして、面接を受けてほしいと思います。自分らしい格好をすることで、自分の考えを述べやすくなる効果もあるように感じます。

選考に落ちないことを目的に、傾向と対策を練って、その企業に適した対応をするという方法を否定はしません。社会人として必要な能力の1つでもあります。しかし、やみくもに内定をとっても入社できるのは1社です。自分にとって心地よく仕事ができそうな相性のいい企業を見つけ、内定を得ることが大切ではないでしょうか。

自分らしい格好で面接に臨むことが大切

相性の良し悪しとは関係なく、「この企業に入りたい!」「この仕事に就きたい!」という強い憧れを持っている女子学生もいます。その場合の“就活おしゃれ”は、先輩女子社員のドレスコードを参考にするとよいでしょう。人は見慣れているものを「良し」と判断する傾向があるので、似た雰囲気の“就活おしゃれ”をすることで好感を得やすくなります。

ただし、無理やり企業の好みに合わせることはお勧めしません。会社が「好む色」であっても、あなたに「似合う色」であるとは限りません。憧れが強ければ、相手の好む色を選びたくなりますが、自分に似合う色を選択したほうがすてきに見えるのではないでしょうか。

おしゃれの好みは会社選びにも活用できます。合同企業説明会に参加したものの、企業ブースが多すぎて選べない……。そんな人が少なくないでしょう。そこで、比較的年齢の近い女子社員のファッションをチェックしてみましょう。自分と雰囲気が似ている、すてきだなと感じる社員がいるなど、感覚的に好感を抱いた会社は要チェックです。立ち寄って話を聞いてみてもいいかもしれません。

就職活動の期間はそれなりに長丁場です。就活用の仮面をかぶり続けていたら、自分が誰なのかわからなくなってしまいます。これから本格化する就職活動も、あなたの大切な大学生活の1つです。周囲のアドバイスを聞きつつ、その中から自分らしさを取捨選択して、“就活おしゃれ”を楽しんでみてはいかがでしょうか。

平野 恵子 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所 主任研究員

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ひらの けいこ / Keiko Hirano

同社で新卒採用ビジネスに関わった後、大学のキャリア科目の非常勤講師を務める。2008年から研究員として就任。2016年より現職。キャリアコンサルタント(CCE,Inc.認定GCDF-Japan)として大学低学年から就活生、新入社員までのキャリア支援に関わりつつ、就職活動・採用活動の動向や意識調査を基に、雑誌や専門誌への執筆などを行う。北星学園大学、札幌学院大学の非常勤講師。

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