新車購入「3月に大幅値引き」が期待できる理屈 新車を安く買うために抑えたいポイントとは

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普通車であれば、車庫証明書が発行されない限り登録することができないため、3月後半まで粘ってしまうと登録が間に合わなくなって値引きも渋くなる恐れがある。もちろん、現状で納期が何カ月もかかるような人気車種や特殊なメーカーオプションなどを選ぶ場合も同様だ。

この時期はディーラー側も注文が集中することを見越して、ある程度人気の車種やボディーカラー、オプションを装着した車両を先行発注し在庫していることがほとんどなので、これから狙うのであればディーラーが確保している在庫車からチョイスするのが賢い選択となるだろう。特に2019年は3月31日が日曜日となるため、実際に車両が登録できるリミットは金曜日の3月29日となり、残された時間は限りなく少ないのである。

登録済み未使用車を狙うのも手

ここまで読んでいただいたならば、決算期後に「登録済み未使用車」が中古車市場に登場する理由もお察しいただけたと思うが、決算期に目標販売台数にあと一歩という状態で取る手段が、「自社登録」である。登録されれば1台とカウントされるので、前述した見込み発注していた在庫車両をディーラー名義で登録し、なんとか目標台数を達成しようという最後の手段なのだ。

そして一度登録された車両は当然新車としては販売できないため、ディーラー系の中古車店の店頭に並ぶこととなる。1店舗で何十台も自社登録することはないにしろ、全国的にみればなかなかの台数となるため、決算期に商談が間に合わなかったユーザーはこういった登録済み未使用車を狙ってみるのも1つの手と言えるかもしれない。

車検の有効期間こそ丸々3年ではないものの、保証も継承されるし、ディーラーオプションも新車と同様に選ぶことができるので(メーカーオプションは追加できないが)、希望の仕様があればお買い得感は高いはずだ。

ということで、決算期に大幅な値引きが出ることも、決算後に登録済み未使用車が登場するのも、自動車メーカーとディーラーの都合によるものが大きいというのが偽らざる事実である。しかし、ユーザーとしては欲しいものが安く購入できるという点ではメリットしか発生しない。自動車は家に次いで高額な買い物と言われ、不動産と同じくきちんと所有権が発生する財産なだけに、よりよいタイミングで購入したいところである。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

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こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

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