「1本25万円」の生ハム店に予約が絶えない理由 居酒屋からの決死の転換で新境地に

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この1本25万円の生ハムセラーは宣伝していない。「その人だけが知っている」「人に言いたくなる」という希少さが大きな価値を持つと考えたからだ。その後、盛況なので生ハムセラーを増設したが、1カ月で満杯になり、入りきれないほど入っているという。徐々に口コミで広がり、いまでは予約の順番待ちだ。

バリュープロポジションをまとめると、図のとおりだ。

このようにIBERICO‐YAは、「生ハムセラー」という新市場を創り出し、人気になっている。

生ハムセラーのブルーオーシャン戦略

では、どのようにしてこれを実現したか? 新規市場を創り出す戦略「ブルーオーシャン戦略」に沿って、IBERICO‐YAの挑戦を見てみよう。

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ブルーオーシャン戦略では、競争が激しい市場をライバル同士が血で血を洗う状況にたとえて「レッドオーシャン」、競争がない未開拓市場を青い大海原にたとえて「ブルーオーシャン」と呼ぶ。

居酒屋市場は、まさに数多くのライバルがひしめくレッドオーシャンだった。IBERICO‐YAは、このレッドオーシャンから抜け出し、「生ハムセラー」というブルーオーシャンを生み出したのである。

まず、一般的な居酒屋の状況から考えよう。

顧客から見て一般的な居酒屋を選ぶ基準は、「価格」「クーポンが使える」「入店しやすさ」「宣伝」「メニューの豊富さ」「おいしさ」などだろう。このようにお客さんから見て店を選ぶ基準のことを、ブルーオーシャン戦略では「顧客視点の競争要因」という。

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