「1本25万円」の生ハム店に予約が絶えない理由 居酒屋からの決死の転換で新境地に

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そこで、ブルーオーシャン戦略ではこれらの非顧客層が価値を感じて顧客になるように、「減らすもの」「取り除くもの」「増やすもの」「創造するもの」という「4つのアクション」を明確にしていく。

IBERICO‐YAは「人に自慢したい、モテたい」という人たちのニーズに応えるために、「生ハムセラー」「VIP限定個室」「目の前でスライス」という要素を創り出した。「美味しさ」もさらに追求した。

客が希少性を求めれば高く売れる

そして「メニューの豊富さ」を減らすとともに、「クーポン」「入店しやすさ」「宣伝」といった要素を取り除いた。これらは「52歳経営者」にとっては不要だからだ。

4つのアクションを基にIBERICO‐YAの戦略を、戦略キャンバス上に価値曲線として描いたのが、下の図だ。一般的な居酒屋との違いは、一目瞭然だ。

まとめると、こういうことだ。お客さんが希少性を求めれば、高く売れる。正しいお客さんを見極め、正しい価格で売れ!

高く売るための出発点は、常識にとらわれずに顧客を具体的かつ徹底的に絞り込み、顧客が「欲しい」と思う高い価値を創造することなのである。

永井 孝尚 マーケティング戦略コンサルタント

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ながい たかひさ / Takahisa Nagai

慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMの戦略マーケティングマネージャー、人材育成責任者などを経て、2013年退社。同年、多摩大学大学院客員教授を担当。マーケティング戦略思考を日本に根づかせるため、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立。多くの企業・団体へ戦略策定支援を行う一方、毎年2000人以上に講演や研修を提供。2020年からはオンライン「永井経営塾」主宰。著書に60万部超『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ、15万部超『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』シリーズ(すべてKADOKAWA)など。著書累計は100万部超。

オフィシャルサイト

X(旧Twitter) @takahisanagai

永井経営塾

 

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