バレンタイン「手作りチョコ」が復権した理由 友チョコを大量に配り始めた子どもたち
実際、cottaの利用者も急激に増えている。cottaの親会社は、プロ向けの製菓・製パン材料を扱う大分県津久見市のタイセイ。サイト開設後倍々ゲームで売り上げが伸びたため、2014年にサイトの運営会社を東京に設立した。ここ5年ほどは、利用者のうち個人需要が年率30%の伸びを示している。年間売り上げは約30憶円、閲覧数は直近1カ月で約250万人に上る。なぜそんなに人気が高いのか。
最大の強みは幅広いラインナップだ。製菓用として定評があるフランス・ヴァローナ社のチョコレートなど上級者向け商品はもちろん、オーガニック食品やミックス粉など初心者向けの商品も充実している。
お菓子作りのすそ野を広げる活動も
お菓子のレシピもある。レシピ提供者は、有名パティシエの辻口博啓氏から、お菓子作りが好きなブロガーまで幅広く、自分のメディアを持っていれば誰でも投稿できるようになっている。cottaを通してブログの人気が高まり、レシピ本を出す、料理番組に出るなどプロになった人もいる。近年はナチュラルスイーツマスターなど、独自資格事業を始めるなど、教える人を増やすことでお菓子作りのすそ野を広げる展開もしている。
次々と魅力的なコンテンツを出せるのは、TUKURUの社員たちのモチベーションが高いからかもしれない。30人のうち28人が女性で、家庭を持つ30~35歳が中心を占める。
皆、お菓子作りが好きで、発案するアイデアを次々と実現させている。残業も少なく休日も取りやすい。「社員にはバランスをとって幸せに働いてもらいたいんです。そうしないと、ハッピーなお菓子の提案はできないので」と佐藤氏は語る。
ところで、手作りスイーツ市場がホットな一方で、市販のスイーツは低迷している。日本記念日協会の調査によると、バレンタインの推計市場規模は縮小傾向にあるのだ。2018年に前年比6%減、2019年は3%減。もしかすると、買うのをやめた人が手作りへ流れているのかもしれない。
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