バレンタイン「手作りチョコ」が復権した理由 友チョコを大量に配り始めた子どもたち

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その1つが、転写モールドである。プラスチック製の動物やハートの型に溶かしたチョコを流し込み、冷やし固めると、表面にさまざまな柄が転写されるもので、専門店の商品のように見えるチョコが簡単にできる。

プラスチックの型に溶かしたチョコレートを流し込み、冷やし固めるだけという手軽さが人気の転写モールド(写真:cotta提供)

転写モールドは昨年から販売しているが、今年は同社に協力するブロガーやインスタグラマーにサンプルを配り、SNSで拡散してもらった効果もあり、「私たちの予想の4倍。昨年の3倍も売れています」と佐藤氏。

ヒットの理由を、佐藤氏は「友チョコを贈る子どもたちは、どうも贈るチョコでかぶりたくない。100円ショップでは、4年ほど前から転写モールドを売っていますが、そちらで買っていたママたちが今、娘が特別なお菓子を作れるように、と探してうちのサイトへ流れてきている」と推測する。

バレンタイン利用者の4割が菓子作りに目覚める

また、材料も簡単に手作りできるタイプの商品の人気が高い。本来、チョコレートを手作りするには、製菓用チョコを一度溶かして型に流し込み、冷やし固める必要がある。繊細な温度管理が必要な「テンパリング」というその工程が不要で、電子レンジで溶かせる「そのまま使えるレンジチョコ」(100g345円)を、今年初めて販売したところ、予想の4倍も売れて品切れしてしまったのだという。

手作り人気は子どもだけにとどまらない。同社のバレンタイン商戦では、明らかに大人と思われる味や高級感へのニーズも高いからだ。

高級感をアピールする商品のラインナップとして、カカオハンターの小方真弓氏が経営するカカオハンターズのミニチョコレートがある。カカオハンターズは、コロンビアでカカオの生産から手掛けており、品質の高さで知られる。「ワインのような豊かな香りを持つチョコは、240g1540円からと決して安くないし、かなりニッチな商材だと思うんですが、すごく売れている」と佐藤氏は言う。

カカオハンターの小方氏が経営するカカオハンターズのミニチョコレート(写真:cotta提供)

cottaでは、手作り需要が高まるバレンタイン時期、通常は6割程度の新規利用者が8割を占めるほどになる。バレンタインだけ手作りする人も多いだろう。しかし、TUKURUが昨年のバレンタイン商戦で初めて利用した客のその後を調べたところ、「4割は2回目の購入があることがわかった」と佐藤氏。手作りにハマる人も多いのだ。

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