「昭和の炭鉱労働」強烈に危険だった現場の記憶

ブラック企業も真っ青な超残酷な労働環境

事故の多くはガス爆発によるもの、また、それを原因とした火災によるものだった。炭鉱内では可燃性のメタンガスが発生することが多く、このガスに静電気や火花が着火し、爆発を起こすというものだ。

1962年を境に炭鉱は次々と閉山

現在あるような高性能なガス検知器が登場する以前は、「炭鉱のカナリア」(坑道のカナリアとも)と言われているように、炭鉱にカナリアやメジロ、ジュウシマツといった小鳥を入れたかごを持ち歩き、人間よりガスに敏感な小鳥のさえずりが(中毒を起こして)聞こえなくなったら危険なので引き返すということで検知していた(1995年に地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教施設サティアンの一斉捜査でも、毒ガス検知のためカナリアが使われていた)。

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また、戦後最多となる死者、行方不明者458人を出した1963(昭和38)年11月9日に起きた福岡県・三井三池炭鉱の事故では、石炭の粉塵が発端となる火災が原因だった。

事故当時は約1200人の鉱員が働いていたそうで、実に3分の1強の人が犠牲になっている。この事故の場合は、爆発や火災で亡くなったのは少数で、ほとんどが一酸化炭素中毒死によるものだった。さらに一命を取りとめた被害者のほとんどともいえる約800人が、その後、一酸化炭素中毒の後遺症が表れることになった。

このような事故がつきまとい、人件費の高騰で国産石炭の価格が上昇すると、海外の格安な石炭が用いられるようになっていく。しかも輸入石炭のほうが質が高い(熱量が高い)のだ。さらに1962(昭和37)年には政府が原油の輸入自由化を行い、これを機に日本のエネルギーの主役は石炭から石油へと一気に切り替わった。こうして日本の炭鉱は次々と閉山していったのである。

石炭を掘り尽くしたから閉山になったわけではなく、逆に日本にはまだ現在の年間使用量の100年分以上の石炭が埋蔵されているという。

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