純白だけど注意!「雪」は食べない方がいい理由 きれいに見えて、実はチリだらけ

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ただし、水蒸気が冷やされるだけでは、なかなか水滴にはなりません。水蒸気が水に変わるとき、エアロゾルが重要な役割を果たします。エアロゾルが「凝結核」と呼ばれる芯となって、水滴ができるのです。

水でできた雲粒は小さくて軽いので、上昇気流があると空気抵抗でふわふわと浮かんでいられます。しかし、雲粒がまわりの水蒸気を取り込んだり、ほかの雲粒とぶつかってくっついたりすると大きくなり、重力が働いて落下します。すると、大きな雲粒は小さな雲粒をくっつけながら落下してさらに大きくなります。こうして雲粒は大きな「雨粒」となります。

雪の結晶を見れば雲の状態がわかる

さて、高いところにある雲は、水だけでなく氷の粒も混ざります。この氷の粒のことを氷晶といいます。といっても、雲粒は氷点下になると自動的に凍るわけではなく、液体の状態でいることがあります。このような状態のことを「過冷却」といいます。しかし、ここでエアロゾルが存在すると、「氷晶核」として働き、氷晶ができるのです。

そして、一度できた氷晶は、水蒸気を取り込んで成長します。こうして雪の結晶ができます。雪の結晶がそのまま落ちてくると雪になりますし、落下する途中で溶けると雨になります。

雪の結晶は「雪印」のような形や、針のような形、六角形の板のような形など、さまざまな形をしていますが、それはその雲の中の湿度や気温によって成長の仕方が変わるからです。

濃密雲粒付六花と呼ばれる雪の結晶(写真:荒木健太郎) 

世界で初めて人工雪を作った中谷宇吉郎博士は「雪は天から送られた手紙である」という名言を残しました。これは雪の結晶を見れば、その雪を降らせた雲の状態がわかるということを示しています。

この雪の結晶から、雪を降らせた雲の状態をもっと詳しく知ろうという研究が気象庁の気象研究所で行われています。関東地方では、少し積雪しただけで交通機関に大きな影響が出てしまいます。しかし、関東地方の雪の予報は難しく、予報の精度を上げることが課題となっています。

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