純白だけど注意!「雪」は食べない方がいい理由 きれいに見えて、実はチリだらけ

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こうしてあられが直径5mm以上になると、「ひょう」と呼ばれるようになります。夏でもひょうが降ってくることがあるのは、ひょうが大きく成長したため、途中ですべて溶けきれずに落下するからです。

……というわけで、ずいぶんと話がそれてしまいましたが、もう一度冒頭の「雪が汚いのはなぜか」という話に戻りましょう。

雪は氷晶核、雨は凝結核があるので汚れている

雪の中にはエアロゾルからなる氷晶核が存在しているうえ、落下する際にもエアロゾルをくっつけます。だから、雪が溶けた後はエアロゾルが残って自動車が汚れるし、雪を食べてもおいしくないというわけです。

同様に、ひょうも雲の中でエアロゾルを含んだ過冷却の雲粒をくっつけて落下するので、食べるとおいしくありません。実際に、私の知人でひょうを食べたという人がいたのですが、やはりおいしくなかったようです。

そして、雨の中にも凝結核があるので、汚れています。以前、「台風の日に雨戸に洗剤をつけて放置したら、暴風雨で洗われてきれいになった」という旨のつぶやきがTwitterで話題になりましたが、雨自体がきれいなものではないので、残念ながらこの方法は掃除方法としては有効ではありません。

「なぜ、雨や雪が降った後は自転車や自動車が汚れるんだろう」「洗濯物を干している間に雨に降られたけれど、そのまま干し続けて、雨が止んだ後に乾いたものを取り込んだらダメなの?」という素朴な疑問は、雨や雪の成り立ちを考えればおのずと答えがわかるというわけですね。

今井 明子 気象予報士・サイエンスライター

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いまい あきこ / Akiko Imai

2001年京都大学農学部卒。酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職、編集プロダクションを経て、2012年からフリーに。子ども向けや一般向けにわかりやすく科学を解説する書籍や記事を多数執筆。著書に『気象の図鑑』(共著、技術評論社)、『異常気象と温暖化がわかる』(技術評論社)がある。ほか、医療・健康、教育、旅行分野も得意。気象予報士として、お天気教室や防災講座の講師も務める。

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