「奇跡の靴」をつくった徳武産業の感動的な話 車いすに乗った青年がこぼした涙の理由
車いすの青年がこぼした涙のわけ
あるとき、徳武産業に車いすに乗った青年が訪ねてくることになりました。青年は、筋肉が萎縮してしまう筋ジストロフィーという病気をわずらっていました。その彼のたっての希望で四国旅行をすることになり、徳武産業を訪問することにしたのです。
彼の友人が、「とても『あゆみ』にお世話になった。そんな靴をつくっている会社を、ぜひ一度見てみたい」と言ったことが、訪問の理由でした。
当日、会社にやってきたのは、メガネをかけた聡明そうな青年でした。大変な病気を抱えているのに、明るく、前向きで、とてもさわやかな印象です。しかし十河さんは、彼が靴下のまま車いすに乗っていることにすぐに気がつきました。
車いすに乗っていて、自分で歩けない人でも、外出するときは、たいてい靴を履いているものです。「なぜ、靴を履かれないんですか」と思い切ってたずねてみると、青年は笑顔で、「足が変形していて、履ける靴がないんですよ」と答えました。


















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