貧困シングル母「善意の若者」に浴びせた洗礼 グローバル都市NYの「貧困のリアル」
貧困シングルマザーが怒る生活保護のおきて
ぼくらはタクシーで145丁目まで行き、古くて狭苦しいアパートの前で降りた。ぼくらが訪ねるのはシルヴィア・マッコウムズ、女手ひとつで3人の子どもを育てている。彼女のアパートに入ると、中は質素でこぎれいだった。
「シルヴィア」。ぼくはそう話しかけた。「ぼくたち、お役所仕事のことを本で勉強してるんだ。ほら、福祉事務所とか保健所とか福祉士の人たちとか。あいつら、君がぜったいに儲からないように、福祉でお金持ちにぜったいならないようにしてるよね。この子たち、『家に男』ルールがわからないんだ」。
「あたしだってわかんないよ」とシルヴィア。「ありゃクソだな」。
そう言ったところで彼女は止まらなくなった。苦労して手に入れた手練手管を誰も褒めてくれない、そう感じているたくさんの人と同じように、やっと話を聞いてくれる人が現れたのを、彼女は喜んでいた。



















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