外国人が活躍できない日本の残念な労働事情 労働者と移民は分けて考えるのが現実的だ
外国人労働者なくして、日本企業は立ち行かない
――単純労働をする外国人向けの就労ビザを作るべき、というのが松崎さんの持論です。
単純労働ビザができれば、就労目的で来るいわゆる偽装留学生や、技術を学ぶという名目の下で職場を選ぶ自由すらない技能実習生といった問題が改善できると思います。日本の企業は、働き手を求めています。海外には、日本で稼ぎたいという人がいます。単純労働ビザがあれば、留学生や実習生といった「ねじれた制度」をあえて選ばなくてもよいのです。
私はシンガポール人の起業家であるデビッド・レオン氏と共同で、海外の人材を日本の企業に紹介する企業を立ち上げました。デビッドは自国で、海外の労働者を受け入れる人材サービスを手がけてきました。シンガポールは多くの外国人労働者を受け入れていることで知られていますが、それはリー・クアンユー元首相が「外国人も戦力として評価し、彼らの力も借りながら国を興す」と明確に決断したことによります。
それに比べると、日本はドラスティックな決断がまだ下されていない。それは外国人労働者だけでなく、いろんな問題で重要な決断が先送りされているようにも思います。
――このまま行くと、どうなりますか。
産業のサプライチェーンの下から崩れてきます。たとえば製造業でいえば、部品を作る中小企業でモノが作れなくなって、その結果、完成車メーカーで車が生産できなくなるということが起きるのではないでしょうか。
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