世界で最も眠れていない日本女性を襲うリスク ただ「疲れがたまる」だけでは済まない
近年、「肥満も全身性の炎症である」という捉え方があります。
炎症というと、これまでの概念では、身体の一部に熱、赤み、腫はれ、痛み、あるいは機能障害などが起きることを指していました。感染症とか外傷のようなもののイメージですね。
しかし、炎症に関連している物質は従来考えられていたよりももっと幅広く、それらによって全身性の変化を起こすようなものも「炎症」と呼ぶほうが妥当である、とみられるようになってきたのです。
睡眠不足でレプチンが分泌されにくく
肥満とは、脂肪組織に中性脂肪が過剰に蓄積された状態です。その蓄積された脂肪細胞からは、種々のサイトカイン(生理活性物質)が分泌され、周囲の細胞に影響を及ぼしていることがわかってきました。
つまり、炎症性の反応が起こって、脂肪細胞が正常に機能しなくなってしまうことで、肥満になる。だから、肥満を全身性の炎症というわけです。
摂食に関係するホルモンのひとつに「レプチン」という物質があります。脂肪細胞から放出される物質のひとつで、食べることを抑制する働きをします。
正常に機能していると、脂肪細胞からレプチンが出て食欲が抑制されることで、食べすぎて脂肪を過剰にため込むことがないのですが、肥満になっている人はその抑制機能が破綻してしまっています。だから、食べすぎてしまう。
睡眠不足だと、レプチンが分泌されにくくなることもわかっています。あるいは、胃から分泌される「グレリン」は、食欲を増進するホルモン。グレリンは、睡眠不足だとよく分泌されるのです。こういった機能障害を引き起こしている原因が、肥満による炎症とも考えられるのです。
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